2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢女性がん患者の背部マッサージによる倦怠感緩和効果の検証
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23792573
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
藤田 佳子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (30341241)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | がん / 症状緩和 / マッサージ / 高齢者 / 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢女性がん患者への背部マッサージによる症状緩和効果の検証を行うために3段階で構成されている。本年度は第2段階「高齢女性に対する背部マッサージの効果の検証」第3段階「高齢女性がん患者に対する背部マッサージの効果の検証」を実施した。なお、第3段階は現在も実験中である。平成27年の12月までに第3段階の実験を終了し報告する予定である。 第2段階の結果として、対象者の平均年齢は71.0歳であった。コントロール群とマッサージ群を比較した結果、体温、心拍、血圧、呼吸数、自律神経活性において有意差はなかったが、SPO2は介入群において、マッサージ直後、終了後20分で有意に上昇した(p<.05)。心理学的変化では両郡で有意差はなかった。 コントロール群内で生理学的変化について比較した結果、音楽前を基準として、音楽直後、音楽終了後10分・20分で比較した結果、全項目において有意差はなかった。しかし、心理学的変化の比較では、POMS短縮版のうち緊張-不安、混乱の項目とBFIが音楽終了後に有意に減少した(p<.05)。 マッサージ介入群内で生理的変化について比較した結果、体温、血圧、自律神経活性において有意差はなかったが、呼吸数と心拍数はマッサージ直後に有意に上昇し、SPO2はマッサージ直後、終了後20分で有意に上昇した(p<.05)。心理学的変化の比較では、POMS短縮版のうち緊張-不安、混乱の項目とBFIが有意に減少し、逆にPOMSの活気の項目は有意に上昇した(p<.05)。 上記の結果から、高齢女性への背部マッサージの生理学的効果は呼吸補助筋の筋緊張を緩和し1回換気量を増やすこと、心理学的効果は緊張-不安、混乱、倦怠感といったネガティブな感情を軽減すると共に、マッサージで安心感を与え高齢者に活気をもたらすことが明らかになった。
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