2012 Fiscal Year Research-status Report
認知症を有する高齢慢性心不全患者の疾病管理における支援方法の検討
Project/Area Number |
23792576
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大津 美香 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (10382384)
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Keywords | 慢性心不全 / 認知症高齢者 / 疾病管理 |
Research Abstract |
平成24年度は、心不全の疾病管理の専門家2名、および、認知症高齢者ケアの専門家2名より助言を受け質問紙を作成し、全国の訪問看護ステーションおよび特別養護老人ホームに勤務する、認知症を有する高齢慢性心不全療養者の看護に携わった経験のある看護師2,000名(訪問看護師1,000名、特別養護老人ホームの看護師1,000名)を対象に、在宅療養中の慢性期の状態にある認知症を有する高齢慢性心不全療養者の疾病管理の実態について、郵送質問紙調査を行った。その結果、心不全の症状のモニタリングや急性増悪時の発見が困難である現状が明らかになり、悪化が見逃されやすい可能性が示唆された。また、再入院の原因として多いものには、感染症、塩分・水分制限の不徹底、発熱などが挙げられ、悪化予防のためにこれらの支援をしているにもかかわらず、認知症療養者や家族の支援による順守行動がとれず対応に苦慮していることがわかり、疾病管理の必要性を理解することが困難で、行動・心理症状が出現しやすい認知症療養者に対して、いかにして在宅において疾病管理を行っていくかが課題となった。さらに、疾病管理の支援は、他職種との連携・協力しながら行われていたが、看護師以外の職種では、慢性心不全の疾病管理に関する知識に乏しく、適切な支援に結びついていない場合もあった。慢性心不全療養者の疾病管理の支援のためのマニュアルの必要性については、ニーズが高かったことからも、支援方法の標準化を進めていく必要性が示唆された。また、特別養護老人ホームでは、悪化しても、家族の希望で入院しない、入院せず施設で治療する・看取るケースもあり、療養者の疾病管理の支援を行う一方で、終末期ケアを担う場でもあった。そのため、平成25年度は、在宅復帰施設でもある介護老人保健施設における疾病管理の実態を把握するための調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の調査は終了し、結果をまとめ、既に学会誌に投稿中であること、また、平成25年度の質問紙調査実施に向けて、質問紙の作成も既に終えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には平成25年度に実施予定である質問紙調査の準備を既に終えている。そのため、平成25年度分より30万円の前倒し請求を行い、平成24年度内にほとんどその準備を終えているため、平成25年度は質問紙の発送および回収が早期に行われるよう工夫できている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・物品費300,000円:質問紙・インタビュー調査のための用紙、プリンターインク、切手、ハガキなどの購入、質問紙作成のための書籍購入、質問紙調査結果のデータ分析のための統計ソフトの購入等 ・旅費240,000円:平成24年度の成果発表および次年度計画の情報収集のための学会参加のための費用 ・人件費・謝金60,000円:質問紙調査実施の補助(発送資料作成、調査先リスト作成、発送作業、データ入力など)についての協力者への謝金 ・その他100,000円:郵送調査および学会誌投稿時等の送料
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Research Products
(15 results)
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[Book] 新版 認知症の人々の看護2013
Author(s)
中島紀 惠子 責任編集, 太田喜久子, 奥野茂代, 水谷信子 編集, 総勢12名 大津美香(2番目)
Total Pages
4
Publisher
医歯薬出版株式会社 IX 認知症の人の急性・病態変化時の対応. 4 慢性心不全の急性増悪期にある認知症患者の看護