2013 Fiscal Year Annual Research Report
精油を用いた看護ケアによるがん患者のストレス緩和効果の検証
Project/Area Number |
23792577
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
北島 麻衣子 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (70455731)
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Keywords | ストレス / 唾液 / アロマセラピー |
Research Abstract |
本研究は、精油を用いた看護ケアによるストレス緩和・リラクセーション効果の検証を目的としている。今年度は昨年度から実施している、精油を用いた下肢マッサージの精油別効果の検証を行った。 1)方法:成人女性16名を対象とし、精油なし(キャリアオイルのみ)、ゼラニウム・ティートリー精油のブレンド(精油G)、オレンジスイート・ティートリー精油(精油O)のブレンドの3群で下肢マッサージを実施した。下肢マッサージは足指先から膝下までのリフレクソロジーを片足10分間ずつ、計20分行った。また、対象者の条件として月経前症候群による気分の変調を考慮して月経前後1週間を避けて実施し、精油の香りが苦手な者や下肢に疼痛または傷がある者は対象者から外した。 2)評価指標:①Profile of Mood States短縮版(以下、POMS):緊張・不安(T-A)、抑うつ・落ち込み(D)、怒り・敵意(A-H)、活気(V)、疲労(F)、混乱(C)の6下位尺度で、得点が高いほどその気分が高いことを示す。②自律神経系活動LF/HF、HF:AC-301アクティブトレーサーを装着し、MemCalc/Tarawa心拍ゆらぎリアルタイム解析により測定した。③心拍数、血圧、④唾液中Cortisol、s-IgA濃度:ELISA法にて測定。 3)結果・考察:POMSでは、全ての群でT-Aが実施前より有意に低下した。精油なしと精油Gとの比較ではD得点が有意に低下し、精油Gと精油Oとの比較ではC得点が有意に低下した(p<0.05)。自律神経活動は、交感神経を示すLF/HFは精油Oで安静‐マッサージ、安静‐マッサージ終了直後、安静‐10分後でLFの値が有意に減少した。また、副交感神経を示すHFでは精油Gが安静‐60分後で有意に増加した。唾液中Cortisol濃度は精油Oが実施前から実施60分後にかけて有意に低下した。唾液中IgAはいずれの群も実施前から実施後にかけて有意に上昇した。
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