2013 Fiscal Year Annual Research Report
治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支えるケアの検討
Project/Area Number |
23792581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白井 由紀 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (30587382)
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Keywords | がん / 看護学 / 造血器悪性腫瘍 / 意思決定 / 緩和ケア / 多職種 / 連携 |
Research Abstract |
1.血液内科医・緩和ケア医への調査(H23-25年度):血液内科医11名、緩和ケア医10名への面接調査と質的分析を行った。 1)治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支える多職種連携(特に、血液内科医と緩和ケアチーム(以下、PCT)との連携)における障害として、身体症状マネジメントに対する血液内科医の自負、PCTに依頼するタイミングの難しさ、血液内科医の緩和医療に対する認識不足、緩和ケア医の血液腫瘍に関する知識不足、血液内科医とPCTとのディスカッションの不足が示唆された。今回明らかになった連携の障害について多職種で取り組むことにより、血液内科医とPCTとの連携を円滑に進めていくことが期待できる。本結果は、Journal of Palliative Medicineに投稿中である。 2)治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定場面における医師が担う役割と看護師に期待する役割について、医師が患者・家族への情報の伝え方に様々な工夫をしていること、他職種との情報共有などを自身の役割と認識し、看護師らに患者の思いや意向に関する情報の提供を期待していることが示唆された。本結果は、H25年2月の日本がん看護学会学術集会にて発表した。 2.看護師への調査(H24-25年度):治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族のケア経験を有する看護師を対象とし、半構造化面接を行った。看護師10名への面接を終了し、現在、質的分析を行っている。今後は分析を進め、意思決定場面での看護師が担う役割と多職種連携に関する看護師の見解を明らかにし、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定において、看護の視点からの詳細な支援方法を提示する。更に、医師の調査結果と統合し、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定場面における医療者が担うべき役割、意思決定を支える多職種連携の在り方について検討する。
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Research Products
(1 results)