2013 Fiscal Year Annual Research Report
救急重症患者の「食」のニーズの変化過程と看護の展開
Project/Area Number |
23792582
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大日向 陽子 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (40570263)
|
Keywords | 炎症性腸疾患患者 / 心のゆとり / 食生活 |
Research Abstract |
本研究の構想は,重症患者の食のニーズの変化過程を明らかにすることであったが,文献検討やフィールドで再検討した結果,重症患者は一時的な絶食に対し「身体回復が優先」,「短期間であれば我慢できる」との報告や,主観的評価と客観的評価をタイムリーに照らし合わせた評価が困難であること,倫理的側面から調査協力同意を得られにくい状況であること等から研究導入が困難であると判断し,対象者をより食と密接な関連があり病状によって食事形態・摂取方法が変化する外来通院中の炎症性腸疾患患者(以下,IBD患者:クローン病患者〈CD〉・潰瘍性大腸炎患者〈UC〉)に変更し調査を実施した。IBDはストレスと再燃の関連も報告されているためストレスと密接な関連のある心のゆとりにも着目し食生活,身体状態との関連も探った。 調査プロトコール(2ヶ月間で計3回調査を実施)終了患者は22名(CD11名,UC11名)であった。栄養状態の指標としてAlbを用い,Alb低値群(3回ともAlb≦3.7g/dl)6名,Alb安定群(低値群以外の患者)16名の2群で分析を行った。低値群は,心のゆとりでは「心が落ち着いている」のみ有意に高値であったが,他の項目では有意差がなかった。血液生化学検査では,血中脂質(HDL-cho, PUFA,n-3PUFA)が有意に低値であり,栄養素摂取状況においても脂質,脂肪酸総量,n-3PUFA,n-6/n-3比が低い特徴があった。自覚症状と血液生化学検査の関係では腹痛とCRP,血便と血中脂質(TG,HDL-cho,PUFA)有意な正相関があった。自覚症状と栄養素摂取量の関係では,血便と食物繊維総量に正相関,排便回数とn-6/n-3PUFAに負相関がみられ,安定群は血便と脂質,脂肪酸(SFA・MUFAなど)と正相関があった。
|
Research Products
(3 results)