2014 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部がん患者の治療経過に伴う”食”の認識・行動・健康状態と看護の展開
Project/Area Number |
23792584
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
長崎 ひとみ 山梨大学, 総合研究部, 助教 (00436966)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 頭頸部がん / 食 / 化学療法 / 放射線療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】頭頸部がんにより放射線療法,化学療法を受ける患者の各治療に伴う食事・栄養摂取状態の変化と,身体状態,食の認識との関連を明らかにし,看護師の視点で患者の治療過程に適った食生活指導を提言する。 【研究成果の概要】頭頸部がんで放射線療法(以下,放射線療法群13名),化学療法(以下,化学療法群10名)を受ける患者にⅠ期(治療前),Ⅱ期(40Gy,化学療法1週目,),Ⅲ期(放射線療法終了時,化学療法2週目)に,食事・栄養摂取量,自覚症状(VAS0~100mm),血液生化学的検査値,食の認識について縦断的調査を実施した。放射線療法群では,Ⅱ期に「パサパサしたものが食べにくい」77.4±27.5,「硬いものが食べにくい」74.8±33.8,「口内が痛い」65.3±31.2,「口内乾燥」58.2±37.4が有意に高値となり,穀類,緑黄色野菜,肉類摂取量が低下,エネルギー1404.4±592.3kcal,たんぱく質54.9±26.1g摂取量が有意に低下した。血液生化学値では,Alb3.72±0.32g/dl,総リンパ球数0.56±0.32×103/μlがⅠ期より有意に低値であった。Ⅲ期では「味覚障害」が更に高値となり,食事・栄養摂取量は更に低下した。化学療法群では,Ⅱ期に「倦怠感」57.0±36.5,「食欲低下」55.3±40.1,「下痢」40.2±42.5が有意に高値となり,穀類,魚介類摂取量が低下し,エネルギー1136.4±368.2,脂質23.9±14.7等摂取量が有意に低下し,Alb(3.38±0.37g/dl)が有意に低値となった。食の認識では,両群とも「活力となる」「嗜好を満たす」「ストレス解消になる」等がⅡ期で有意に低値となり,放射線療法群ではⅢ期に更に低下した。これらのことから自覚症状を軽減するための摂取方法の工夫を検討することが課題となった。
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