2012 Fiscal Year Research-status Report
終末期がん患者の「家族への負担感」の概念化と尺度開発
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23792591
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大えき 美樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 講師 (70403392)
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Keywords | 終末期がん患者 / 家族への負担感 / 尺度開発 / QOL |
Research Abstract |
本研究の目的は、家族への負担感尺度を開発し、尺度の信頼性および妥当性について検討を行うことである。平成24年度は、家族への負担感尺度の開発に向け、終末期がん患者を対象とした半構成的面接の実施した。大学および研究協力施設において倫理審査申請を行い承認を得た。研究協力施設との調整を行い対象者として、下記の条件を満たす終末期がん患者の紹介を受けた。①病名・病状告知がされている、②20歳以上、③過去1年内に在宅療養において、家族介護者から身体的介護を受けていた、④言語によるコミュニケーションが可能である、⑤同意書および同意撤回書へのサインが可能であるとした。除外条件として、重篤な身体・精神障害や認知症がある者とした。 倫理的配慮として、研究の目的、方法、任意性、プライバシーの保護などについて同意文書を用いて口頭で説明を行った。同意書の提出をもって同意とした。面接は、プライバシーが守られる個室にて、インタビューガイドに沿った半構成的面接を行った。対象者の付添は同伴せず、対象者一人で面接を行った。面接内容は許可を得て、ICレコーダに録音をした。 現在、8名の面接を終了し、面接内容を逐語録に起こす作業中である。平成24年度の研究実施計画として、目標症例数10名の面接を終了し、家族への負担感尺度を完成させる予定であった。しかし、対象者の体調不良により目標数に到達していないため、次年度も継続して面接を行い尺度を完成させることとした。 また、本研究の先行研究となる調査結果について、学会発表を2件行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度の研究実施計画として、面接実施対象者の目標症例数を10名としていた。現在、8名の面接を終了しているが目標症例数には達していない。本研究対象者は終末期がん患者であり、体調不良などにおける面接実施への影響については計画段階において想定していた。しかし、想定よりも多くの対象者が体調不良により面接実施が不可能であったり、延期となり計画通りに進めることができなった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず、目標症例数10名に向け終末がん患者2名への半構成的面接を実施し、KJ法を用いて分析を行う。KJ法の専門家などによるスーパーバイズを受け、家族への負担感尺度を完成させる。次に、質問紙調査および分析を行い、家族への負担感尺度の信頼性と妥当性の検討を行う。また、研究成果について、学会などでの発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、まず、終末期がん患者への半構成的面接の実施、KJ法専門家などによるスーパーバイズを受ける目的での旅費および研修費等が必要となる。次に、質問紙調査は郵送法で行うため質問紙の郵送に関する経費が必要となる。さらに、研究成果について、学会発表などを行っていく予定であり、論文投稿用の翻訳代、旅費等の経費が必要となる。
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