2013 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者の「家族への負担感」の概念化と尺度開発
Project/Area Number |
23792591
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大えき 美樹 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 講師 (70403392)
|
Keywords | 終末期がん患者 / 家族への負担感 / self-perceived burden / 尺度開発 / 在宅看護 |
Research Abstract |
平成25年度は平成24年度に引き続き「家族への負担感尺度」の開発に向け,終末期がん患者を対象とした半構成的面接法を実施した.家族介護者から介護を受けた経験のある15名の面接を終了し,質的統合法(KJ法)を用いて分析した.対象者は,男性6名,女性9名であり,平均年齢は72.9歳であった.疾患部位は,大腸が5名,乳が2名,肺が2名の順に多かった.がん患者の身体的な活動程度を示すperformance status(PS)は,PS3が12名と最も多かった.主介護者は男性が9名,女性が6名であり,続柄は配偶者が10名と最も多かった.主介護者の年代は70歳代が5名,60歳代が4名の順に多かった.分析の結果,11枚を最終ラベルとした.がん専門看護看護師,緩和ケア認定看護師,看護学教員による尺度の表面的妥当性および内容的妥当性の検討を行い,以下の10項目から構成される「家族への負担感尺度」を作成した.<私の世話が大変なので家族が体調を崩してしまうのではないか心配になる>,<私の世話が大変なので家族にストレスをあたえているのではないか心配になる>,<家族の一員としての役割が果たせないので心苦しい>,<家族に経済的な負担をかけているので心苦しい>,<家族には家事や仕事があるので甘えてはいけないと思う>,<家族に恩返しできないのは心苦しい>,<私の体調が悪い時には家族が予定を変更しなければならないので心苦しい>,<家族につらくあたることがあって申し訳ない>,<家族に苦しんでいる姿を見せて申し訳ない>,<これから先,思うように動けなくなったとき家族に迷惑をかけるので心配になる>. 次に,終末期がん患者を対象に「家族への負担感」尺度を含む質問紙調査を実施した.現在,尺度の基準関連妥当性,構成概念妥当性,内的整合性について検討中である.
|