2011 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケア領域におけるハンドマッサージが与えるリラクゼーション効果
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23792593
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 直子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40549945)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ハンドマッサージ / クリティカルケア / リラクゼーション |
Research Abstract |
クリティカルケア領域の患者は生命の危機に直面し、予後や治療、ICUなどの特殊な環境に不安や恐怖、創部痛や活動制限などにより精神的・身体的に強いストレスを感じている。ゆえに、ストレス反応を正常に戻すための拮抗反応といえるリラクゼーション効果は、クリティカルケア領域で重要な視点となる。そこで、リラクゼーション目的で温罨法などを行うが、治療上の安静の指示や患者の苦痛の訴え、マンパワーの不足などにより準備に時間がかかり、多人数を要してしまうことがある。患者への負担が少なく看護師1人でも実施可能で簡便な方法として、ハンドマッサージに注目した。平成23年度は論文検討、健常者を対象とした予備実験の準備を行った。ハンドマッサージの効果は健常人では明らかになっているものの、患者を対象にした研究はほとんどなく、クリティカルケア領域の患者への効果は明らかにされていない。また、アウトカムの一つとして、主観的評価や自律神経系を測定している研究が多い。しかし、実際にはストレス反応は自律神経系、内分泌系、免疫系の3つが関わっている。そこで本研究は心身のストレスをより客観的かつ総合的に評価するために、先行研究で測定している自律神経系に加え、内分泌系、免疫系の評価を行う。論文検討の結果、科学的根拠のある方法を検討し、統一したハンドマッサージの修得をした。現在、倫理審査委員会への申請準備を行っており、健常人を対象とした予備実験の準備をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、平成23年度は健常人を対象とした予備実験を行う予定であった。しかし、論文検討、科学的根拠のあるハンドマッサージの修得に時間を要したため、予備実験の開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早急に健常人女性を対象とした予備実験を開始する。予備実験から、得られた結果から修正点を検討し、実験手続きを修正した上で、患者10名を対象とした予備実験を行う。最終的には患者20名を対象にした本実験を行い、結果をまとめ、結論を導く。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は論文検討、科学的根拠のあるハンドマッサージの修得に時間を要したため、予備実験の開始が遅れている。そのため、研究費の使用計画は、今年度実施予定であった予備実験、及び本来次年度実施予定であった本実験で使用する心電図ディスポ電極、内分泌系、免疫系のリラクゼーション反応を評価する検査料金が主な費用となる。また、予備実験での健常人被験者への謝金、研究課題関連学会への参加費用である。
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