2012 Fiscal Year Research-status Report
クリティカルケア領域におけるハンドマッサージが与えるリラクゼーション効果
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23792593
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤田 直子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40549945)
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Keywords | ハンドマッサージ / クリティカルケア / リラクゼーション |
Research Abstract |
クリティカルケア領域の患者は生命の危機に直面し、予後や治療、集中治療室などの特殊な環境に不安や恐怖、創部痛や活動制限によって、精神的・身体的・社会的に強いストレスを感じている。ゆえに、ストレス反応に戻すための拮抗反応といえるリラクゼーション効果はクリティカルケア領域での重要な視点となる。そこで、リラクゼーション目的で温罨法を行うが、治療上の安静指示や患者の苦痛の訴え、マンパワーの不足などにより準備に時間がかかり、多人数を要してしまうことがある。患者への負担が少なく看護師1人でも実施可能な簡便な方法として、ハンドマッサージに注目した。 平成24年度は23年度より引き続き、予備実験の準備を行っている。ハンドマッサージの効果は健常人で明らかになっているものの、患者を対象とした研究はほとんどなく、クリティカルケア領域への患者への効果については明らかにされていない。また、アウトカムの評価は主観的評価や自律神経系を測定している研究が多い。クリティカルケア領域の患者よりリラクゼーション効果を科学的根拠を持ち、評価できるアウトカムを模索した。また、統一したハンドマッサージを行うため、ハンドマッサージを習得したが手技の確認と、より正確な手技を提供できるようライセンスを取得した。なお、研究期間が残り短いため、早急に倫理審査委員会への申請を行い、予備実験を開始する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度は予定では健常人を対象にした予備実験を終え、患者への実験を開始する予定であったが、開始できていない。論文検討、手技の習得、科学的根拠をもったアウトカムの検討に時間を要したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早急に健常人女性を対象とした予備実験を開始する。また、得られた結果から修正点を検討し、実験手続きを修正した上で、集中治療室に入室する患者を対象とした本実験を行い、結果をまとめ、学会発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に関して、本年度の進行状況が遅れているため、当初予定していた検査料等の未使用額が生じた。この未使用額については、今後予定している予備実験、本実験で使用する心電図ディスポ電極、内分泌系免疫計のリラクゼーション反応を評価する検査料、検査機器が主な費用に充てる。 謝金に関しても、同様であり、未使用額については、今後予定している予備実験に参加していただく健常被験者への謝金に充てる。
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