2013 Fiscal Year Research-status Report
「高齢がん患者の生活史に注目した看護介入プログラム」の開発
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23792595
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 芳枝 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10423419)
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Keywords | 高齢がん患者 / 生活史 / 治療過程 |
Research Abstract |
平成25年では,規定した概念に基づいて,高齢がん患者の持つ生活史やその意味付けについて明らかにするために半構成的面接調査を行い,これより「高齢がん患者の生活史に注目した看護介入プログラム」を考えていく予定である. これまで,研究に取り組む中で,がん領域では生活史を体験過程の意味づけを明確にする手法として活用しており,高齢がん患者で生活史を活用することは経験の意味づけだけでなく,長い生活史より得た英知を持つ高齢がん患者の強みの部分を意図的につながることが示された.また,生活史を活用した介入では,患者自身の認識の変換をもたらす効果があり,ネガティブな状況をポジティブに捉え直していく介入効果をもたらすことも明らかになった.特に,高齢がん患者の現状では,治療に伴う副作用だけでなく加齢に伴う衰退も加味されて,苦悩が重複しやすく虚弱な立場におかれやすいことを考えても,その強みを生かす生活史を活用した介入は意義があると推測している. 現在の研究実績としては,質的研究のインタビューを通して,治療過程にある高齢がん患者の様相から得た生活史に着目した支援を考案する中で、治療過程にある高齢者の背景を調査している段階である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年で予定している,高齢がん患者の持つ生活史やその意味付けについて明らかにするために半構成的面接調査を実施しており,治療過程にある高齢がん患者の様相から得た生活史に着目した支援を考案するための現状調査を行っており,予定通りに進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在の質的研究を7例実施しているが,対象患者となる患者の数が少なく,研究対象施設数を増やす方向で検討している.これが軌道に乗れば,対象数が増えることで,研究結果がまとめることができ,成果をまとめて学会発表等で研究の実績を公表することが可能となると考える. また,今回注目している生活史は介入手法として有用であることが今までの調査で明確になった.今後は,現在している質的研究から,この生活史を介入手法して活用することを検討するために,治療過程にある高齢がん患者の実態を明確にする予定である.この質的調査をもとに、支援体制を検討していきたいと考えている.
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