2012 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中急性期患者に対する口腔の衛生・機能維持を目的とした口腔ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
23792609
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
大門 裕子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (90552638)
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Keywords | 医療・福祉 / 看護学 / 脳神経疾患 / 衛生 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳卒中急性期患者に対する口腔の衛生・機能維持を意図とした口腔ケアプログラムを開発することである。内容としては、脳卒中急性期患者の口腔環境および咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの口腔アセスメントを実施し、口腔衛生・機能維持を目的とした口腔ケアに関するニーズ調査を計画した。 実施にあたり研究対象者のさらなる確保のため、新たな協力病院を開拓した。研究対象者が脳卒中患者であり、患者の安全および安楽を最優先し、人権およびプライバシーの保護について慎重に検討を重ねた。倫理審査委員会では、患者への説明依頼書・同意書などの内容や評価項目についての指導を受け、念入りに検討を重ねた。そのため、協力病院の倫理審査委員会にて承認を得るに時間を要した。さらに、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家に指導をおよびスーパーバイズを受け、かつ協力病院の医師・歯科医師・看護師・言語療法士など多職種により、口腔アセスメント方法について吟味した。加えて、研究の事前準備として評価する看護師への勉強会・実技演習を実施し、口腔アセスメント方法を統一できるよう体制を強化した。現在、データ収集の段階である。 研究対象者からは経口摂取の開始後に、次のような感想を得ている。内容としては、「食べられなかった間は、生きたここちがしなかった。」「水を飲んだ時、生き返ったと思った。」「食べられることは嬉しい。」などである。引き続きデータを収集し、脳卒中急性期患者の口腔内の特徴を明らかにし、口腔ケアに関するニーズを把握し、分析を進めることとする。 この結果により、脳卒中急性期患者の口腔衛生と口腔機能の特徴が明らかとなり、脳卒中急性期患者に適した口腔ケアプログラムの開発につながると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めるため、以下の3点について事前準備に時間を要している。 1つ目は、人権およびプライバシーの保護について慎重に検討を重ねたため、協力病院での倫理審査委員会に承認を得るに時間を要したため。 2つ目は、協力病院の医師・歯科医師・看護師・言語療法士など多職種により、口腔アセスメント方法について吟味したため。 3つ目は、研究の事前準備として評価する看護師への勉強会・実技演習を実施し、口腔アセスメント方法を統一できるよう体制を強化したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きデータを収集し、脳卒中急性期患者の口腔内の特徴を明らかにし、口腔ケアに関するニーズを把握し、分析を進めることとする。 この結果をもとに、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家に指導をおよびスーパーバイズを受け、脳卒中急性期患者に適した口腔ケアプログラムを作成する。 口腔ケアプログラムは、治療による侵襲が低い内科的治療を受ける脳卒中急性期患者においてプレテスト後に本調査を実施し、本口腔ケアプログラムの有用性を確認する。実施後、明らかになった問題点をフィードバックし、脳卒中急性期患者における本口腔ケアプログラムの完成度を高める。 治療による侵襲が低い内科的治療を受ける脳卒中急性期患者において口腔ケアプログラムの完成度を確認した後には、外科的治療を受ける脳卒中急性期患者への介入の方向性を検討する予定である。また、研究結果は公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
脳卒中急性期患者の口腔環境および咀嚼・嚥下・発音・呼吸などの口腔アセスメントに必要な評価指標を用いて評価を重ねるため、引き続き、口腔ケア用品や口腔内評価のため設備物品やその他の経費が必要となる。また、口腔ケアや摂食・嚥下に関する専門家による指導およびスーパーバイズを受けるため旅費が必要となる。かつ、データを扱うためのデータ入力、資料整理など研究補助が必要となる。さらに、評価に用いる嚥下造影検査費用を支払うため謝金として計上する必要がある。
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