2013 Fiscal Year Research-status Report
女性SLE患者が抱くボディイメージの認識とその構造化
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23792611
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
前田 祥子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 助教 (70587823)
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Keywords | ボディイメージ / SLE / 療養体験 |
Research Abstract |
本研究は、女性SLE患者にとって療養を困難にさせる原因の一つであるボディイメージについて、質的調査と量的調査のトライアンギュレーションによる概念の構造化と関連要因の検討を行なうことを目的としている。 研究は、(1)文献レビュー (2)概念分析 (3)インタビューガイドの作成・インタビュー調査 (4)内容分析 (5)小規模調査 (6)大規模調査 (7)ボディイメージの構成概念図の作成の7ステップからなっている。 平成23年度から平成24年度にかけて、(1)と(2)の途中までを実施した。SLE患者のボディイメージに関する文献レビューからは、24件の該当文献が得られ、それらは「療養体験」、「HRQOL」、「外見」、「セクシュアリティ」、「療養と支援」、「発達段階」の6カテゴリーに分類された。 平成24年から平成25年にかけて、(2)~(4)の途中まで実施した。文献レビューの結果をふまえて新たに文献を追加し、計41件の文献からSLE患者にとってのボディイメージに関する概念の検討を実施した。概念分析の結果、『先行要件』は「SLE」、「副作用」の2項目、『属性』は「身体の変化」、「セクシュアリティ」、「スティグマ」の3項目、『帰結』は「外見懸念」、「自尊心の低下」、「QOLの低下」、「性的不満足」、「発達への影響」、「生活体験」、「潜在的ニーズ」、「対処行動」、「服薬遵守の低下」、「自立性の欠如」の10項目が分類された。概念分析の成果をもとにインタビューガイドを作成し、平成25年7月から12月にかけて計15名の女性SLE患者に対してインタビュー調査を実施した。現在、インタビュー調査結果を内容分析にて分析中であり、今後(4)以降の調査を順次実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年から平成24年の約2年間、文献レビュー、概念分析の調査と実施に多くの時間を費やした。その理由として、該当文献数の選定に時間を要したこと、文献の質や研究方法から、どの方法論を用いるのが最良かを検討しながら行っていたためである。また、文献レビューの実施中、概念分析を行なうに足る文献の検討も同時に行っていたため、多くの時間を費やす原因になったと考える。また、概念分析を行なう際にも方法論の理解や選択、適用にも時間を要した。そのため、全ての計画が一年ずつ遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー調査の結果に対して内容分析を行い、尺度構成を行なう。その後、構成概念の妥当性について検討を行なう。構成概念の妥当性の検証が終わればパイロットスタディの準備と実施にとりかかる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画の進行が1年遅れているためにアンケート調査までいたらず、アンケートの印刷代、郵送費、アンケート入力作業の協力費、謝金、出張、学会誌投稿、別刷りなどの経費がまだ未使用である。また、アンケート集計や分析に使用するパソコン、統計ソフトも未購入である。 内容分析を行うにあたり、統計ソフトやパソコンを購入する。投稿論文執筆にあたって、専門家からの助言を得るための出張費に使用する。採択された論文の別刷り費用と、配布のための封筒代、郵送費に使用する。概念分析の成果報告を行なうため、学会年会費、英文抄録校正料、学会誌投稿料に使用する。構成概念の妥当性を検証するための有識者会議を開催し、出席者に謝金を支払う。今後のアンケート調査に必要な紙代、切手代など必要枚数購入する。
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Research Products
(2 results)