2011 Fiscal Year Research-status Report
手に刺激を与えた背面開放端座位が覚醒度に及ぼす影響
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23792613
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
梶原 理絵 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (70514561)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 背面開放端座位 / 手 / 覚醒度 |
Research Abstract |
背面開放端座位と五感刺激には、それぞれ意識回復へ働く利点がある。その利点を生かした看護は、より意識回復に効果があるのかを解明することが、本研究の全体構想である。意識とは、今、していることが自分で分かっている状態であり、覚醒とは目覚めた状態である。このことから、覚醒とは意識の一部であり、本研究は覚醒度の上昇が意識回復につながるものとして捉えた。構成は三部構成であり、第一段階である2011年度は安静仰臥位から背面開放端座位へ姿勢変化し、その座位時にタオルを握ること(以下:タオル型)と何も握らないこと(以下:基準型)が覚醒度にどのような影響を与えるかについて解明した。生理学的反応として脳波機能(β波含有率)と自律神経機能(交感神経活動、副交感神経活動、心拍数)の指標を用い、心理学的反応として覚醒度に関するVASの指標を用いた。被験者は健康な男女20名とし、無作為に10名ずつの2群に分け、ラテン方格法を適用した。結果、緊張度(z=-2.395,p<0.05)のみ、基準型よりタオル型の方が有意に低値を示していた。安静仰臥位から「タオルを握る背面開放端座位」への姿勢変化と「単に背面開放端座位」への姿勢変化とは、生理的反応からは相違ない姿勢変化であることが分かった。しかし、安静仰臥位から「タオルを握る背面開放端座位」への姿勢変化で、「単に背面開放端座位」への姿勢変化より緊張度は低値を示している結果から、タオルを握るという簡単な動作で心理的には緊張感を緩和されたのではないかと示唆される。現在、時間ごとの変化についても結果解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り、第一段階の実験研究をおこなった。なお、2011年度おこなった研究に関しては、2012年度の看護系学会にて発表予定および投稿予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画通り、2012年度には第二段階の実験計画を行い、2013年度には第三段階の実験計画を行っていく。いずれの場合も、実験で用いる物品や文献複写、旅費等での研究費使用を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、第二段階の研究として変化のある刺激を手掌へ与えた背面開放端座位が覚醒度に及ぼす影響を解明する。そのため、主な物品購入予定としては、リモコン操作のできるフットマッサージャーである。
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