2012 Fiscal Year Research-status Report
看護師が日常的に使用している患者評価方法を用いた動物介在プログラムの構築
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23792618
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Research Institution | Japan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
熊坂 隆行 日本保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (80347385)
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Keywords | 動物とのふれあい / 看護ケア / 患者評価 / 入院環境 / QOL |
Research Abstract |
動物が好きな患者にとって「動物がいる入院環境を整えること」も看護ケアのひとつであり、それは、生活の質(Quality Of Life:QOL)の向上に結びつくと考える。この看護ケアを浸透させるためには、ケアする者にとって評価が行いやすく、明確でなければならない。患者の大部分の入院中の日常生活の援助をしているのは看護師であり、動物とのふれあいの要望、伴侶動物との面会や同居の希望があった場合、準備、計画、実施、評価をすることは看護師の役割となることが十分に考えられる。 病院で勤務する看護師が患者の日常生活を測定する評価方法に関する調査を平成20、21年度に実施した。その中で「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」のアプローチに活用できる評価方法は「フェイススケール」「長谷川式簡易スケール」「日常生活自立度」などの回答が多かった。今回、その得られた結果から、研究者間で検討を行ない「フェイススケール」は動物とのふれあい直前・直後の気分を示す指標として最も有効的な評価方法であるという結論に至った。 平成24年度は平成23年度同様、病院の治験・倫理審査委員会の承認を得られた、岐阜県A病院緩和ケア病棟で定期的に「動物とのふれあい活動」を実施し「フェイススケール」で評価を行なった。ほとんどの患者がふれあい活動前より、ふれあい活動後に「快」の気分を示し、学会にて発表を行なった。 また、山梨県内のホスピス、長野県内のこども病院で「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」を行なうため、病院関係者、連携研究者とともに準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は「研究の目的」に沿って、以下の計画を立てた。 さまざまな病院にて「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」のアプローチを実施し、それぞれの対象(成人、老年、小児など)にそれぞれの評価方法(フェイススケール、長谷川式簡易スケール、日常生活自立度など)を活用し、患者に及ぼす効果を検証するであった。 研究者間で活用できる評価方法の検討を行ない、病院の治験・倫理審査委員会の承認を得られた、岐阜県A病院緩和ケア病棟で定期的に「動物とのふれあい活動」を実施し「フェイススケール」で評価を行なった。 山梨県内のホスピス、長野県内のこども病院で「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」を行なうため、病院関係者、連携研究者とともに良い方向で検討がなされているが、感染症などの問題からさらなる検討が必要と考えられる。このようなことから、活動を行なっている病院が1施設であるため、やや遅れていると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も病院にて「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」のアプローチを実施し、患者に及ぼす効果を検証していく。また、評価方法の信頼性と妥当性を探り、データを整理し、学会発表や研究論文として公表していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度同様、大学から離れた病院にて「動物とのふれあい活動」「伴侶動物との面会や同居」のアプローチを実施となるため、旅費の割合が大きいと考えられる。また、調査、データ整理に関する人件費・謝金の割合も大きいと考えられる。
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Research Products
(2 results)