2014 Fiscal Year Annual Research Report
病院感染対策の実施状況と規定要因に関する日英比較研究
Project/Area Number |
23792619
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 恵 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (50514832)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 医療関連感染 / 感染予防 / 規定要因 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と英国の大学病院のクリティカルケア領域、外科病棟、内科病棟に勤務する看護師の医療関連感染防止に対する知識・技術・態度とその規程要因を分析し、調査を実施した日本と英国の結果比較を通じて、両国の看護師に影響する規程要因の違いを比較し感染予防対策プログラムを構築することを目的とした。日本、英国の倫理審査にて承認が得られ、調査を実施した。日本の大学病院のクリティカルケア領域、外科病棟、内科病棟に勤務する看護師1,500人、英国の大学病院の看護師1000名を対象に、医療関連感染防止対策の実態調査(知識・技術・態度)を実施した。調査内容は、基本属性およびCDCガイドラインの内容を踏まえて研究協力者とともに独自に作成した。知識得点は正答数、態度、実践は5段階リッカート尺度を用いて点数化し、それぞれ統計学的手法を用いて分析を行った。 調査の結果、正しい知識があっても実践に結びついていないことが明らかになった。90%以上の看護師が感染対策に関する研修に参加しており、一般的な知識の普及はされつつあることが示唆された。また、専任の感染管理担当看護師の存在は態度得点と関連があり、態度が実践に結びつく重要な因子であることから、専任看護師の配置の意義は大きいと考える。 また知識得点の低い接触予防対策が必要な患者への隔離予防策と静脈留置カテーテル管理は、態度や実践率も低かった。医療関連感染の原因菌のほとんどが接触感染する耐性菌であること、血流感染は重篤な感染症に至るため、態度・実践にリンクするような手法を用いた教育が急務であることが示唆された。 さらに易感染のハイリスク患者を対象とするクリティカルケア領域に所属する看護師の感染対策実施状況は、内科病棟と比べて有意に低かったことから、その原因の究明と対策の必要性が示唆された。
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