2011 Fiscal Year Research-status Report
救命救急センターで突然死を体験する家族への有効な看護援助の探求
Project/Area Number |
23792623
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
原田 竜三 東京医療保健大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20363848)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 救命救急センター / 家族ケア / 急性死別 |
Research Abstract |
救命救急センターで亡くなる患者の家族に対する看護介入プログラムの作成にあたり、関東近郊にある救命救急センターの看護師(9施設34名)を対象に質的調査を実施した。その結果、救急外来、ICU、救急病棟では「家族が患者と触れ合う機会をつくる」「患者の状況を理解してもらう」「家族が受けるショックをやわらげる」「家族の気持ちに寄り添う」「家族の健康状態を気にかける」ケアが共通して実践されていた。救急外来では、「救命処置を優先するとともに家族にも早期に対応する」ことが実施され、ICU、救急病棟では、家族の後悔がないように家族の意向に沿い要望をみたす」「治療方針へのサポート」が実施されていた。欧米における文献検討では、家族に早期に対応すること、心肺蘇生場面を見せること、死別後のケアが悲嘆プロセスを促進させるという文献があった。今回の調査から、家族に早期に対応することはできていると思われたが、心肺蘇生場面を見せることについては、あまり見せない現状があり、家族が死亡宣告を受け入れないときに胸骨圧迫、薬剤投与を見せることがあった。死別後のケアとしてパンフレットを渡している施設があったが、ストレス外来、地域のサポートといった場所のパンフレットであり、看護師が死別後のケアを実施するためのものではなかった。急性死別した患者の家族は、危機的状況であり、十分に死が理解できないまま、救命救急センターを退出することになるため、死別後のケアは重要であると考える。そこで、救命救急センターで実施しているケアに看護師が実施できる死別後の介入を追加して実施する看護介入プログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の予定としては、質的な調査、文献検討からの看護介入プログラムの作成であるため、おおむね順調に進展していると考えられる。しかし、今後の予定としては、看護介入プログラムを実際に提供し協力してくれる施設に依頼するため、その手続きの段階に時間がかかってしまう可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、作成した看護介入プログラムで協力施設の看護師に家族への介入を実施し、家族への調査および介入を実施した看護師への調査を実施し、看護介入プログラムの評価をしたいと考えている。家族への調査は量的・質的調査、看護師への調査は量的調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
家族への量的・質的調査、協力施設への依頼や看護師への量的調査に使用する郵送費、交通費、謝礼などが主となる。量的調査を実施するための統計ソフト、今年度の成果を発表するための学会参加費、交通費がある。
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