2012 Fiscal Year Research-status Report
救命救急センターで突然死を体験する家族への有効な看護援助の探求
Project/Area Number |
23792623
|
Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
原田 竜三 東京医療保健大学, 医療保健学部, 講師 (20363848)
|
Keywords | 救命救急センター / 家族ケア / 突然死別 |
Research Abstract |
関東近郊の救命救急センター9施設34名の看護師を対象に質的に調査した結果と、欧米、日本における文献検討から、救命救急センターで亡くなる患者の家族に対する看護介入プログラムを作成した。この看護介入プログラムは、アギュララとメズィックの危機理論と悲嘆ケアを参考にし、家族が救命救急センターに到着してから退室するまでのケアと退室後のケア(死別悲嘆パンフレットの配布、1週間~10日後、2か月後の電話フォローアップ、希望時の面談)を含んでいる。そして、この看護介入プログラムを家族に実施し、家族からの評価を得るための質問紙を作成した。質問紙調査の項目として、家族の属性、患者の死、治療・ケアに対する現実の知覚に対する認知、社会的支持、対処機制、家族の心残りに対する認知、医療者の態度に対する認知、精神的健康状態をあげた。関東近郊にある救命救急センターに調査の協力を依頼した結果、協力の得られた施設は1施設で、調査を実施中である。現在、21名の家族にケアを実施しており、6名の家族に調査を依頼し、3名からの返信が得られている。死別悲嘆パンフレットはすべての家族が拝見しており、電話によるフォローアップでは、「忙しい日々を送っている」、「生きていくことが精一杯である」、「眠れない日が続く」、「体調を崩して病院に行った」、「身内の家族がいろいろとしてくれている」等、身体的、精神的な問題やサポート体制の状況が聞かれている。今年度調査を継続的に実施し、人数の確保に努めると同時に、調査項目の分析を実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
家族ケアプログラムの作成、質問紙の作成、協力施設から協力が得られるまでにかなりの時間を要した。調査開始後も該当する患者がいない等、データの確保が難しい状況である。今年度3月まで調査を実施し、人数を確保する。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在の研究の継続を実施する。また、救命救急センターの看護援助の実際について、質的研究では、施設や個人による差があったため、ケアプログラムを検討する資料とするために全国調査も同時並行で実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実施施設数の確保および研究対象者が得られなかったことから、繰越金が発生した。研究期間を延長することで、研究対象者の数を確保したいと考えている。 次年度は、研究施設への交通費、学会報告のための交通費、対象者への謝礼および郵送代、データを分析するためのPCソフト、文献複写代等に使用する
|