2011 Fiscal Year Research-status Report
肝移植レシピエントの継続的看護支援及びネットワークシステム構築に向けた基礎的研究
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23792626
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
太田 名美 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (50585495)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 臓器移植看護 / 肝移植 / レシピエント / 継続的看護支援 / システム構築 |
Research Abstract |
臓器移植による恩恵の一方、肝移植を受けたレシピエントは社会復帰を果たした後に、再発や合併症で状態が悪くなったり、入退院を何度も繰り返したりすることも多々ある。そのような状況は、社会生活を送っている移植後のレシピエントや彼らを支える家族に、身体的にも心理社会的にも苦痛をもたらすことになる。しかし、我が国では、臓器移植を受けたレシピエントやその家族を継続して支える支援体制は不十分である。本研究は肝移植を受けたレシピエントの退院後における継続的看護支援の課題と実態を明らかにし、長期的継続的看護支援の方法と看護ネットワークシステムの構築を目的とし、調査を行っている。 平成23年度は肝移植を受けたレシピエントで20歳以上の成人レシピエント6名を対象として、半構造化面接を行った。また、肝移植者の患者会に参加して、患者間やその家族との関わりのある場面に参加観察し、フィールドノートに記述する参加観察法を行い、面接法と合わせてデータ収集を実施した。参加観察に際しては、研究者は看護者だが、当事者活動を阻害しない位置に自分を置くように常に自覚しつつ、十分に注意して行った。面接における質問内容は、1.対象者の属性 2.これまでの経過 3、退院後の生活の変化や困難(対処法) 4.医療職との関わり などであった。面接内容は、対象者の同意を得た上で録音した。調査に当たっては十分な倫理的配慮を行い、特に問題は生じていない。録音データの逐語録を随時作成し、移植看護研究者のスーパーバイズを受けつつ、現在、質的に分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
データ収集に際して、倫理委員会の準備から始まり、セルフヘルプグループの患者会への研究者の参加と対象者への研究協力に際しては、関係づくりを円滑に行うために慎重に進めていく必要があり、対象者の確保に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、質的分析を終了させ、その結果による質問紙を作成する予定である。質問紙の内容について、移植看護の専門家や移植看護の研究者、肝移植者のチェックを受ける。また、完成した質問紙を用いて、量的調査を実施し、分析していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
資料収集・調査(学会や研究会、研修会)、データ分析に際してスーパーバイズをうけるための旅費がある。またアンケート用紙を送付するための郵送代やデータ入力補助費に研究費の使用を予定している。 次年度使用額の191,028円は面接の交通費や謝礼、研究補助(テープ起こしなど)に使用する予定であったが、データ収集に関して遅れが生じたため、平成24年度に使用を予定している。
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