2012 Fiscal Year Research-status Report
肝移植レシピエントの継続的看護支援及びネットワークシステム構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
23792626
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
谷水 名美(太田名美) 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (50585495)
|
Keywords | 臓器移植看護 / 肝移植 / レシピエント / 継続的看護支援 / システム構築 |
Research Abstract |
肝移植を受けたレシピエントの退院後における継続的看護支援の課題と実態を明らかにし、長期的継続的看護支援の方法と看護ネットワークシステムの構築を行うことを目的として、調査を行っている。平成24年度は肝移植を受けたレシピエントで20歳以上の成人レシピエント6名を対象として、半構造化面接を行った。昨年度と今年度に半構造化面接を行ったレシピエントは計12名であり、収集したデータから患者の退院後の生活の変化や困難、医療者のサポート状況に関連した内容を分類し、テーマに沿って、質的に分析した。分析の結果、【外来でのサポート】(栄養指導・定期受診)、【緊急時の対応】、【医療者との関わり】(入院中の関わり・希薄な医療関係者との関わり・医師への不信感・信頼する移植医)、【社会的サポート】(社会的経済支援・公的扶助の恩恵への感謝)、【日常生活の行動変化】、【移植経験者との関わり】、【回復の認識と自信】、【情報収集】、【セルフサポート】、【周囲からのサポート】の10のカテゴリーに分類され、それぞれにおいてレシピエントの現状と困難、困難への対処法が明らかとなった。看護ネットワークシステムに関する研究では、肝移植を受けたレシピエントや家族への看護に関する困難や課題について、移植認定施設の看護師へのアンケートを作成し、実施する予定であり、準備を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度、対象者の確保を慎重に行う必要があったことから時間を要したため、質的分析にも影響している。また、その質的分析の内容に関して、当初予定していた質的統合法(KJ法)の分析方法に、テキストマイニング方による分析方法を用いて、データをさらに詳細に分析したことから時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は質問紙による量的調査を終了させ、移植看護の専門家や移植看護の研究者、レシピエントから意見をもらいつつ、3年目の総括として全体のまとめを行っていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
資料収集・調査(学会や研究会、研修会)、データ分析に際してスーパーバイズをうけるための旅費がある。またアンケート用紙を送付するための郵送代やデータ入力補助費に使用を予定している。 次年度使用額の428,530円は研究補助(データ入力)や海外での学会発表、論文投稿のための英文校正などに使用する予定であったが、データ収集・分析に関して遅れが生じたり、海外学会出張を予定していたものの学内の仕事との調整が困難であったりしたため、平成25年度に使用を予定している。
|