2013 Fiscal Year Annual Research Report
肝移植レシピエントの継続的看護支援及びネットワークシステム構築に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
23792626
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
谷水 名美 (太田 名美) 大阪医科大学, 看護学部, 助教 (50585495)
|
Keywords | 臓器移植看護 / 肝移植 / レシピエント / 継続的看護支援 / システム構築 |
Research Abstract |
肝移植を受けたレシピエントの退院後における継続的看護支援の課題と実態を明らかにし、長期的継続的看護支援の方法と看護ネットワークシステムの構築を行うことを目的として、調査と分析を行った。当初はアンケート調査を行う予定だったが、実際に看護師が行っている支援の内容を具体的に明らかにすることが継続的看護支援のためのネットワークシステム構築のためには必須と考えられ、データ収集方法を変更し、平成25年度は、肝移植を受けたレシピエントにかかわった経験のある看護師で、経験年数5年目以上の臨床で勤務している看護師10名を対象として、半構造化面接を行った。データから、看護師による退院後に向けた支援に関連する内容を分類し、テーマに沿って質的に分析した。分析の結果、看護師が退院後に向けた支援としては1.現在実施されている支援と2.今後必要とされる支援が明らかになった。1.現在実施されている支援としては自己管理の獲得に向けた支援中心であり、①確実な内服管理に向けて薬剤師や家族の協力を得ながらできるだけ早期からの根気強い指導の実施、②食事制限を遵守していくために栄養士や家族の協力を得つつ退院後の時期ごとに変化する食事内容の検討の実施、③胆管チューブや経腸チューブなどの管理法の獲得に向けた手技的な指導の実施、④異常時の対応や早期発見のための知識の情報提供、⑤再入院時の自己管理行動の再確認と実施できていることの保証、⑥術後の自己管理行動意欲を高めるための術前からの意識づけがあり、その他、移植コーディネーターや医師、理学療法士、ケースワーカー、看護師間、他施設との連携の実態が明らかになった。2.今後必要とされる支援では、継続看護の困難さが明らかになった。最終的に、これまでの分析結果から、患者と看護師間の重要度の違いや外来での関わりの乏しさが退院後の困難さを感じる要因になっており、看護支援案が提示された。
|