2012 Fiscal Year Research-status Report
HIV/AIDS患者の療養場所とその移行に関するニーズおよび不安の構造と地域連携
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23792627
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Research Institution | Senri Kinran University |
Principal Investigator |
九津見 雅美 千里金蘭大学, 看護学部, 講師 (60549583)
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Keywords | HIV/AIDS / 長期療養 / 自立困難 |
Research Abstract |
国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センターに勤務するHIVコーディネーターナース2名にへの聞き取り調査を実施した。また、社会福祉法人はばたき福祉事業団の紹介により、40歳代の薬害HIV患者で自立困難な方2名が在宅介護を受けている自宅へ訪問させて頂き、家族への聞き取り調査を行った。 自立困難で在宅療養をしている薬害HIV患者2名の状況は、1名はAIDS脳症で障害者自立支援法によるサービスを利用し、もう1名は特定疾病のため介護保険の認定を受け、介護保険サービスを利用していた。在宅介護を継続するにあたり、訪問介護・訪問入浴・訪問リハビリなどのサービスを利用され、サービス利用において不具合が生じた際には「ケアマネジャーに相談してサービス事業所を変更する」といった対処をされていた。介護負担の訴えがみられたものの「病院は手厚い看護は期待できない」「自分が家で介護をしたい」という思いがあり、家族のレスパイト目的としての患者の入院や施設への短期入所は考えていなかった。このことから家族への支援の必要性が示唆された。 自立困難なHIV患者が在宅で生活を送るにあたり、在宅介護支援サービスが患者と家族のニーズに十分対応できているのかどうかはこの2事例からでは結論づけることは困難である。そのため、平成25年度も継続してHIV患者および家族への聞き取り調査を継続して行う必要がある。これにより患者・家族を主体としたサービスのあり方について検討することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度は大阪医療センターの倫理委員会に患者紹介依頼について諮ったが、却下されたことで研究実施が非常に困難となった。平成24年度は研究計画を見直すことから行い、HIV患者・家族への聞き取り調査だけでなく、このような患者の受け入れ施設に対して感染に対する意識および標準予防策に関する調査を計画することに時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
国立国際医療研究センターの倫理委員会に、自立困難で長期療養生活を送るHIV患者の紹介及びこれらの患者が入所する施設や利用する施設への聞き取り調査およびアンケート調査を実施する研究計画を諮り、4月に条件付き承認を得ることができた。正式な承認が得られ次第、調査を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
患者・家族への聞き取り調査の交通費、聞き取り調査時の会場代、聞き取り調査での音声データの逐語録作成に研究費を使う予定である。また調査と並行して、分析を進め、随時学会発表を行っていく予定である。
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