2012 Fiscal Year Research-status Report
透析患者の「かゆみ」に対する看護診断関連因子の特定―中規模前向き縦断調査―
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23792628
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Research Institution | Kansai University of Nursing and Health |
Principal Investigator |
神谷 千鶴 関西看護医療大学, 看護学部, 准教授 (80361236)
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Keywords | 透析 / かゆみ / 縦断研究 |
Research Abstract |
透析患者の「かゆみ」に対する看護診断関連因子の特定に際して、かゆみの影響因子について看護診断指標として捉えられている項目を明らかにするために先行研究として、診断指標の特定に関する研究をまとめた。その結果、文献からは、皮膚の角層水分量,皮膚表面脂質量,皮膚表面pH,掻き傷の有無,末梢血流量、日常生活におけるスキンケア(入浴状況,入浴剤,洗体ブラシの種類,保湿ローションの使用状況)、精神状況(ストレス,抑うつ)が影響していることが分かった。それについて、日本における透析療養指導看護師に対するインタビュー調査では、透析患者に対するかゆみの治療薬についての情報をえることができた。また、現在明らかになっている看護診断「皮膚統合性障害」において、透析患者のかゆみについてどの程度重要な診断指標となっているかを看護診断の診断妥当性検証モデルを用いて検証し、結果を発表した。そこで、特定領域の看護診断や看護介入の方法についてアクションリサーチを用いた専門看護師の研究や診断指標の妥当性検証の方法についての再考を行う必要があることが分かった。 「かゆみ」においては、薬剤の効果についての臨床報告が多くなされてきており、看護の視点における縦断調査の実施が急務であることが分かった。研究を進めるに当たり、本大学への倫理審査への申請をし、承諾を得ることができた。研究目的の明確化、調査方法、手順書の作成、機器の管理方法などとともに、調査項目の入力フォーマットを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
途中、病気のため仕事を1か月休まなければならなくなった。 そのため、本来の教育指導業務が集中し、研究を勧めることができなかった。 教員不足のため、実習指導に関わる時間が多くなり、研究活動に使える時間がとれなかったた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度作成した、研究説明書、同意書、調査用ガイドライン、結果入力フォーマットなどを基に、協力施設へ説明を行い調査を依頼する。調査を行う看護師に対して、調査技術の説明と習得のための訓練を実施する。全国10か所の施設での調査を予定してる。 縦断研究のため、調査は約1年継続する必要がある。最終結果をまとめられないが、1か月調査を行い、横断的データとして一度結果をまとめ報告したい。その後引き続きデータの収集を行い、縦断研究として結果をまとめていきたいと考えている。研究を遂行する上では、調査の説明に行く時間の確保が難しい。夏季休暇の利用、学会等で協力施設の看護師が集合するときに同時に説明会を行うなどして工夫をしていきたいと考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査に必要な機器類は購入済みである。その他書類をまとめる文房具や郵送費が必要である。また調査の説明等に全国10か所の施設へ訪問するための交通費が必要である。調査研究施設に謝金、協力患者への謝礼が必要である。調査結果のデータのまとめ、入力作業のためのアルバイト代が必要である。 途中結果のまとめ発表のための学会参加費、交通費が必要である。また、海外投稿に際して英文校正に対する謝金が必要である。
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Research Products
(2 results)