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2011 Fiscal Year Research-status Report

自発性低下の評価に関する研究―看護師と家族間の評価差とその要因について―

Research Project

Project/Area Number 23792630
Research InstitutionSt. Mary's College

Principal Investigator

小浜 さつき  聖マリア学院大学, 看護学部, 助手 (20580731)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords看護学 / 自発性低下 / 高次脳機能障害 / 評価 / 家族ケアギバー
Research Abstract

前頭葉損傷に伴う高次脳機能障害の一つである「自発性低下」の評価には、発症前の患者を知る家族ケアギバーの参入が不可避である。本研究は、この見解を以下の二点で検討する。1.看護師と家族ケアギバー間の自発性低下の評価差を明らかにする。2.自発性低下に関する看護師と家族ケアギバー間の評価差に関わる要因を明らかにする。 「自発性低下」は、前頭葉損傷により自ら行動を開始する事が困難となる病態であるが、医療者や家族ケアギバーが病態の知識に乏しい時、改善の可能性があるにもかかわらず、単なる性格変化や怠惰であると誤解されやすいと指摘される。研究代表者は、意欲がないと誤解されやすい自発性低下の特徴を考慮すると、発症前の患者の生活習慣や性格をよく知る家族ケアギバーの評価を加味する事が不可欠であると考えている。発症前の患者を知らない医療者による、障害の程度の過大評価や過小評価を予防するためである。 そこで、本研究においては、2006年に開発された「標準意欲評価法(日本高次脳機能障害学会)」の日常生活行動の意欲評価スケールを用い、看護師と家族ケアギバーの両者で評価を行い、看護師と家族ケアギバーの評価差を明らかにし、その評価差に関係する要因を分析する。 平成23年度は、研究代表者が所属する大学の実習病院である聖マリア病院の回復期リハビリテーション病棟で調査を開始した。倫理審査の許可を得て、9組の家族ケアギバーに依頼を行い、6組の協力を得た。先行調査で得た39組のデータと併せて分析を行い第62回聖マリア医学会で発表した。看護師と家族ケアギバーの回答結果は、強い正相関を示していたが、歯磨きやリハビリテーションへの参加度、他者とのコミュニケーションについては、有意な相関を認めない項目があった。特に、他者との挨拶やコミュニケーションについては相関が低く、家族と看護師の間に評価差のある傾向が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成23年度は、研究代表者の所属する大学の実習病院である聖マリア病院の倫理審査委員会の許可を得て、回復期リハビリテーション病棟での調査を開始した。本病院は、回復期リハビリテーション病棟の病床数が49床であり、研究の対象者選定条件に合致し依頼が出来た家族ケアギバーが少なかった。そのため、予定していた対象者に依頼数が満たない状況であった。そこで、平成24年度はもう一つの研究依頼施設である誠愛リハビリテーション病棟での倫理審査を受け、調整を行いデータ数を増やす予定である。 研究目的の、「1.看護師と家族ケアギバー間の自発性低下の評価差を明らかにする」については、先行調査のデータと併せて分析を行い、看護師と家族間で評価差がある項目、特に挨拶や他者とのコミュニケーションに関する項目に評価が異なる傾向があることが明らかになった。しかし、面会頻度が低いケアギバーについては、未だに依頼数が少なく、今後も調査を継続し対象者数を増やす。 研究目的の、「2.自発性低下に関する看護師と家族ケアギバー間の評価差に関わる要因を明らかにする」については、現時点では結果の分析が未実施である。そのため、平成24年度に得られたデータを合わせて分析し、報告を行う。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、平成23年度の研究で明らかになった結果について、日本看護科学学会学術集会に研究抄録を投稿し、報告を行う。現在、演題登録と抄録作成中である。 データ収集については、平成24年度8月末までは聖マリア病院での調査を継続し、対象者数を増やす。また調査依頼数が目標を満たすように、研究依頼施設である誠愛リハビリテーション病院での調査を開始する。病院へ調査依頼を行い、平成24年9月から平成25年2月の期間で30組の家族ケアギバーよりデータ収集ができるように、調整を行う。 また、平成24年度は、研究目的「2.自発性低下に関する看護師と家族ケアギバー間の評価差に関わる要因を明らかにする」について結果を提示するため、分析に当たっては、研究代表者が所属する大学で統計学を専門に教授している教員に連絡を取り、指導を受ける。分析は、看護師と家族間の評価差と、その関連要因に焦点を当てて行う。 研究成果については、聖マリア医学会、次年度の日本看護科学学会学術集会に結果を報告できるよう学会発表準備を行う。また、日本看護科学学会学会誌への論文投稿を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度の設備備品費は、データ分析の為の統計解析ソフトとして、SPSS(Ver.19.0)を購入する。また、論文作成にあたって、考察を行うための高次脳機能障害関連図書購入、データ分析結果の保存を行う為にセキュリティ機能付き記録媒体の購入を予定している。 旅費は、平成24年11月30日、12月1日に開催される日本看護科学学会での学会発表時の旅費と、実地調査のために使用する。その他の経費として学会発表用のポスター作製費用や、論文投稿のための費用、文献購入費、振り込み費用として使用する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 自発性低下の評価に関する研究―看護師と家族間の評価差の分析―2012

    • Author(s)
      小浜さつき、松尾ミヨ子、日高艶子、他一名
    • Organizer
      第62回 聖マリア医学会
    • Place of Presentation
      聖マリア学院大学(福岡県)
    • Year and Date
      2012年1月28日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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