2011 Fiscal Year Research-status Report
成人医療へ移行する先天性心疾患患者に対する教育支援ツールの開発とその評価
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23792639
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
落合 亮太 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (90587370)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 成人先天性心疾患 / 成育医療 / 移行期 / 小児科 / 循環器内科 |
Research Abstract |
平成23年度は、日本の文化や医療体制に即した教育支援ツールを開発するための前段階として、海外の教育支援ツールの内容妥当性を検討した。分析には以下の2つの方法を採用した。1.看護師、臨床心理士、精神科医、小児科医計5名からなるワーキンググループにて、カナダの教育支援ツールであるGood 2 Go Transition Program(以下、G2G)に含まれる全106項目を翻訳する。2.G2Gの各項目を、ワーキンググループメンバー各々が、先行研究が規定する「transitionの支援に必要な要件」に分類し、一致度を評価する。分析の結果、5名全員の分類が一致した項目は全106項目中28項目、4名の分類が一致した項目が19項目、3名の分類が一致した項目が38項目、それ以下が21項目であった。全員の分類が一致した28項目以外の項目をメンバーで協議の上、再分類したところ、要件ごとの項目数に偏りが見られ、既存の要件に分類不能な項目も5項目見られた。これらの結果から、G2Gに含まれる内容と、先行研究が規定する「transitionの支援に必要な要件」の一致度は高くないこと、今後、海外のツールも参考にしつつ、患者、親、医療者を対象に面接調査を行い、transitionの支援に必要な要件を明確化する必要性があることが示唆された。上記研究結果を第47回日本小児循環器学会総会・学術集会多職種専門領域セッションにおいて発表し、会長賞を受賞した。また、平成24年3月には東京女子医科大学病院の外来において、患者・家族を対象として「先天性心疾患を持ちながら小児医療から成人医療へ移行するためのこころの準備」と題した講演会を開催した。この会の中で教育支援ツールに関する紹介を行い、25名の参加者からツールに対する感想や意見を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存の教育ツールの評価は終了した。本年度予定していた面接調査はまだ実施できていないが、講演会を通して患者・家族の意見を収集することができたため、研究プロセスは概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、先天性心疾患患者とその親を対象に面接調査を行い、望ましい教育支援に必要な要件を明らかにすることが課題である。患者会や関連施設の医師と連携し、調査を行なっていく必要がある。また医療者や教育関係者への面接も必要である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
面接調査に必要な交通費、対象者への謝金、逐語録作成関連費用、分析ソフトウェアの購入などに研究費を使用する
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