2014 Fiscal Year Annual Research Report
母乳育児中の母親への支援レベル測定尺度の開発とその評価
Project/Area Number |
23792640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
名西 恵子(大塚恵子) 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40570304)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 母乳育児 / ソーシャルサポート / 尺度 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、母乳育児ソーシャル・サポート尺度の作成を行った。前年度までの文献レビューに基づき、日常における母乳育児ソーシャル・サポート尺度について31項目、職場復帰における母乳育児ソーシャル・サポート尺度について11項目を抽出した。各項目は5段階のリッカートスケールとした。つまり、日常における母乳育児ソーシャル・サポート尺度は合計31点から155点を取り、合計点が高いほどソーシャル・サポートを得ていると感じていることを示すものとした。職場復帰における母乳育児ソーシャル・サポート尺度は合計11点から55点を取り、合計点が高いほどソーシャル・サポートを得ていると感じていることを示すものとした。 母乳育児支援の専門家5人が内容的妥当性を検討した。検討結果に基づき尺度に修正を加えた。さらに、母親30名を対象に予備調査を行った。尺度に回答後、個別にインタビューを行いわかりにくい項目を確認した。その結果いくつかの項目で表現を改めた。 A区の5つの保健センターにおいて、3ヶ月健診に訪れた母親376名を対象に自記式調査票による調査を行った。また、1ヵ月後にフォローアップ調査を郵送にて行った。3ヶ月健診時の母乳率は49%、1ヶ月後の母乳率は57%であった。日常における母乳育児ソーシャル・サポート尺度のクロンバックαは、0.74、職場復帰における母乳育児ソーシャル・サポート尺度のクロンバックαは0.79であり、両尺度ともに十分な信頼性が示された。また、両方の尺度ともに、3ヶ月健診時に高い尺度得点を得ている母親ほど1ヵ月後も母乳で育てている率の高いことが示され、予測妥当性が確認された。従って、本研究で開発された母乳育児ソーシャル・サポート尺度は、研究や臨床の現場において女性が母乳育児をする上でどの程度ソーシャル・サポートを得られているのかを測定する上で有用であると考えられる。
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