2015 Fiscal Year Annual Research Report
出生直後の新生児と母親の相互コミュニケーション手法の開発
Project/Area Number |
23792641
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石田 真由美 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40361894)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
|
Keywords | 新生児 / 母子関係 / 愛着行動 / 早期接触 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.これまでの分析結果の考察をし,引き続き,出生直後の新生児の行動に焦点をおいた研究や,分娩直後の母子の愛着行動に関する研究の文献収集をおこなった.また,学会参加により最新の専門的知識を得た.国内外の発達心理学や行動分析の視点からも情報収集や文献レビューを継続しておこなった. 2.母子の早期接触時の画像データの分析をおこなった結果,母親の行動として『児を見つめる』,『児の背中をトントンする・頭をなでる』,『児への言葉かけ』を,児の行動として『頭を反らせる』,『母親の方へ視線を向けようとする』,『ジッと開眼する』,『モゾモゾする』を行動指標とし,行動コーディングシステムを用いて画像分析をおこなった. 3.これまで取りまとめた質的分析結果と画像データの分析結果をふまえて考察すると,母子の早期接触はより近くで児の様子を観察でき,肌と肌の直接的な児との触れ合いも可能となる.その中で,母親には様々な感情が生じ,母としての自覚や使命感が芽生えてくることが明らかとなった. 4.本研究は,出生直後から母親が我が子(新生児)の潜在的能力を見出し,気づき,理解し,我が子の個性や得意とする能力を引き出すことができるような母子間の相互コミュニケーション手法を開発することを研究目的としていた.今回の結果では,出生直後の母親が早期接触を実施することで,児の様子をより身近で観察し,喜ばしい感情と同時に児に対する戸惑い・児に対する発見と驚きなどを感じ,さらに自分自身に対しては産んだことの達成感や母としての自覚・使命感を感じていることが明らかとなった.しかし,分娩という大役を果たしたばかりの状況で,我が子の潜在的能力を見出すことや気づくまでにはまだ時間がかかり,意識的に子の能力を引き出すことができる状況には至らないことが理解できた.
|