2011 Fiscal Year Research-status Report
妊婦の不安が妊娠・分娩・産褥及び胎児・新生児の発達に及ぼす影響
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23792643
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
近藤 里栄 信州大学, 医学部, 助教 (10551385)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 不安 / 妊婦 |
Research Abstract |
妊婦の不安が妊娠、分娩、産褥に及ぼす影響とその推移ならびに児の愛着との関連について焦点をあてて、調査用紙の作成を行った。先行研究より、妊婦の不安と児への愛着両者に関連するものについて検討をおこなったところ、妊娠・分娩・産褥経過だけでなく、夫や実母との関係、さらには妊婦(母親)のうつ状態とも関連していると言われている。さらに、経産婦においては、過去の出産経験によってわだかまりがあることにおいても、妊婦の不安や児への愛着の両者に関連付けられていると言われている。これより、家族関係が良好で、妊婦自身のメンタルヘルスに問題がなく、出産に満足している妊婦については、不安の程度が軽く、児への愛着も高いという仮説が導き出された。以上のことより、妊婦の不安と児への愛着との関連について調査を行うためには、家族関係、うつ、出産満足度についての検討も同時に行っていく必要があり、その内容を含めた質問紙の作成を行った。対象はA県内の分娩を取り扱う複数の産科施設で妊婦健診を受診し、同院で分娩予定の妊婦とし、質問紙の内容は、対象の年齢、産科歴などの属性、妊娠経過および分娩期で行ったケアの有無、授乳方法等に加え、不安尺度として新版STAI、胎児の愛着尺度についてはPerinatal Attachment Inventory(PAI)、新生児の愛着についてはMaternal Attachment Inventory(MAI)、産後のうつについてはエジンバラ産後うつ質問票、出産満足度については、出産体験自己評価尺度短縮版を用いて調査を行う。現在、本学の倫理委員会に提出中であり、承認後、質問紙配布を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画においては、妊婦の不安が妊娠、分娩、産褥に及ぼす影響とその推移ならびに児への愛着について質問紙調査を行う予定であり、調査用紙の作成までは至ったが、本学の倫理審査への申請およびそれ以降の調査研究の実施ができなかったため遅れていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査を行っていくと同時に、妊婦の不安が妊婦自身および胎児、新生児に及ぼす生理的影響について、自律神経機能検査のひとつである心拍変動解析を用いて調査を行う。この実験研究においては、現在研究計画について本学の倫理委員会にて審査中であるため、承認後直ちに検討を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に自律神経機能検査に用いる心拍変動測定機器の購入ならびに自律神経機能に関連するバイタルサイン測定機器、自律神経機能は環境にも影響をうけることから騒音計など環境を測定する機器の購入を行う。これらの機器の購入は、次年度の直接経費で執行する。なお、当初計画時よりも備品を安価で購入できたため、次年度使用額が生じた。次年度の直接経費では、物品費が当初計画時よりも高価となることが予想されるため、機器の購入のほか、関連文献および研究対象者への謝礼等に充てていく。
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