2013 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦の不安が妊娠・分娩・産褥及び胎児・新生児の発達に及ぼす影響
Project/Area Number |
23792643
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
近藤 里栄 信州大学, 医学部, 非常勤講師 (10551385)
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Keywords | 自律神経機能 / 妊婦 / 胎児 / 不安 |
Research Abstract |
妊婦の不安が、児の成長発達および母児の愛着形成に影響を及ぼすことが考えられる。そこで本研究では、妊娠・分娩・産褥における妊産婦の不安状態の推移および妊娠期の不安状態と関連する要因について検討した。妊娠期・産後1週間・産後1か月の計3回、調査への協力と同意が得られた67名の正常経過の妊産婦を対象に自記式質問紙調査を実施した。その結果、正常経過の妊婦における妊娠期の不安状態はサポート環境などの社会的要因と関連しており、その不安状態は妊娠期のみならず産後の精神状態にも影響を及ぼすことが示唆された。 以上の結果をもとに、母親の不安が母親自身及び胎児・新生児の発達に及ぼす影響について、客観的に分析できる自律神経機能検査を実施した。妊娠36~40週の妊婦35名を対象に、健診時に実施されるノンストレステストの際、妊婦には心拍メモリー計アクティブトレーサーAC-301Aを装着し、胎児には心拍メモリー計LRR-03を専用の分娩監視装置(アクトカルディオグラフMT-5700:25年度購入)に接続し心拍変動測定を実施した。さらに、妊婦には心拍変動測定後、不安尺度をはじめとした質問紙調査を実施するとともに、対象が分娩ののち、分娩・産褥経過および新生児経過について情報収集を行った。その結果、妊婦、胎児ともに心拍変動はいくつかのパターンがあり、変化のパターンには、妊娠経過や母親の不安状態等と関連する可能性が示唆された。今後も研究を継続し、症例数を増やしていく予定である。
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