2012 Fiscal Year Research-status Report
小児医療領域への特定看護師導入に対する期待とその課題に関する研究
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23792660
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
前田 貴彦 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60345981)
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Keywords | 特定看護師 / 看護師特定能力認証制度 / 小児看護領域 / 看護師 / 医師 |
Research Abstract |
小児医療領域への特定看護師(看護師特定能力認証制度)導入に対する期待と課題について小児科医師および小児看護に従事する看護師の認識を検討した。 全国の小児科医師および小児看護に従事する看護師を対象に行なった質問紙調査の結果から、以下の期待および問題や課題が明らかとなった。 医師と看護師がともに考える期待として、他の看護師のモデルになるといった【看護師のキャリアアップ】、【医師の負担の軽減】、医師不在時の急変対応がすぐに出来るといった【円滑な患児対応の実現】、小児の発達段階にあわせた【質の高い小児看護の提供】などが示された。そして、看護師のみが考える期待として、医師との効果的な意見交換や専門的な知識・技術を有する看護師を身近な相談者として、心強さを感じるのではないかと考えていた。 また、医師と看護師がともに考える問題や課題として、医療事故が生じた際の責任の所在といった【医行為を実施する際の責任問題】、【教育体制の未整備】、医師と特定看護師の業務範囲の明確化といった【資格制度自体の明確化】、【特定看護師の知識・技術レベルの保障】、【各施設での受け入れ体制の検討】、【特定看護師の負担増大】などが示された。さらに、医師からは制度そのものの反対意見も示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に予定していた家族等への質問紙調査について、特定看護師(現在看護師特定能力認証制度)につて、規定や業務内容、業務範囲が様々に変化しており、家族への質問項目の検討や選定に若干時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、主に入院中または入院経験のある保護者を対象に、看護師が可能な医行為の範囲などについての調査を行なう予定である。 また、小児看護に従事する看護師を対象に、小児科医師や看護師が小児看護領域への特定看護師導入に期待することおよび課題について、どのように考えているかについて質問紙調査を行なう予定である。 さらに、緊急の検査や処置が必要となる重症の小児を受け入れることが多い救命救急領域で就業する看護師に対し、小児への医行為実施に対する考えや救急看護師が小児に行う医行為の項目などについて面接調査を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、小児医療領域への特定看護師導入に対する期待や問題・課題について前年度の結果をもとに質問紙調査を行なう。対象は、全国の病院で小児看護や救急看護に従事する看護師500名程度を予定している。また、小児医療領域や救急医療領域に従事する看護師を対象に導入に対する考えや期待、問題等に関する面接調査を実施する予定である。さらに、保護者への質問紙または面接調査を行なう予定である。 今年度の研究費はこれらの調査に必要な、質問紙印刷費用、通信費、逐語録作成のための報償費、データ収集に必要な交通費、面接調査で必要となる携帯用パソコンなどの備品、研究遂行に必要な消耗品費、質問紙調査で得られた自由記述等の文字起こしや入力などを業者依頼するために必要な費用にあてる。また、調査結果を公表・還元するためのホームページ開設、報告書作成などに必要な諸費用、23年度、24年度に実施した調査結果の発表や情報収集のために必要な学会等への参加費、交通費、宿泊費等に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)