2012 Fiscal Year Research-status Report
子ども虐待のケアにおいて生じる看護職の感情のコントロールに関する研究
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23792662
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
辻 佐恵子 北里大学, 看護学部, 講師 (70422889)
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Keywords | 子ども虐待 / 看護職 / 困難さ / 感情コントロール |
Research Abstract |
本研究の目的は、看護職が被虐待児とその親へのケアにあたって抱く困難さの内実を具現化し、そこで生じる感情のコントロールの構造を明らかにすることである、子ども虐待のケアに精通した看護職を対象に面接調査を行い、ケアにあたって感じる困難さの内容とそれによって生じる看護職の感情を具現化した。当該年度は、看護職5名への面接調査を実施した。また、さらに子ども虐待全般に関する知識をはじめ、被虐待児と虐待者の心理・社会的側面および彼らへのケアの在り方や、関わる職種の姿勢についての理解を深めるため、関連書籍・文献の検討、研修会等への参加を継続して行った。また、研究手法であるグラウンデッド・セオリーへの理解を深め、より洗練された分析につなげるため、勉強会への参加も定期的に行っている。 面接では、看護職が実際のケア事例を具体的に振り返り、「失敗してはならない」と思いながら親の気持ちを探り、少しずつ情報を収集し、距離をとりながら慎重にかかわっている姿が明らかになった。また、そこで生じる「どう親と関わってよいかわからない」という看護職の複雑な感情や気持ちの揺れが表現された。さらに、スタッフ間で情報を共有し、気持ちを表出することで、親子とかかわるにあたって安心感を得、気持ちを立て直していることがうかがえた。現在、そのデータをグラウンデッド・セオリーの手法を用いて分析中である。データはまだ5例のみであり、比較検討しながらデータを積み重ねていくため、今後、さらなるデータの蓄積とともに、スピードを上げて分析を進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度までに合計5名の看護師への面接調査を終了し、現在、面接内容を分析している段階にある。面接を予定していた対象者との日程調整がつきにくいこともあり、データの収集に時間を要している。今後、対象施設も広げて対象者をリクルートし、分析を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、現在までに得られたデータの分析を進め、それをもとに研究対象者への面接調査を戦略的に実施し、さらにデータを洗練させていく。分析においては、引き続き子ども虐待を専門とする研究者の助言を受けながら丁寧に分析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ収集にかかる交通費、知識の研鑽および成果発表のための学会参加、関連資料の作成に使用する。
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