2013 Fiscal Year Annual Research Report
先天奇形を持つ子どもの親の出産および子どもに対する反応モデルの開発可能性の検討
Project/Area Number |
23792675
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
田中 久子 (深谷 久子) 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (40454368)
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Keywords | 先天奇形 / 出産 / Drotarモデル / 親の愛着感情 / 看護 / 質的記述的研究 / 反応 |
Research Abstract |
これまで,Drotarモデルの信頼性・妥当性について検討を重ねてきた。当該年度は,これまでの調査結果を受けて,看護師が先天奇形を持つ子どもの親の出産および子どもに対する正常な親の反応について,どのようにとらえているかを探索し,Drotarモデルを基盤とした新たなモデル開発可能性に関して検討することを目的とした。 研究対象者は,A大学看護学部倫理審査委員会から承認され,同意書により研究への承諾が得られたC病院NICU・GCU看護師6名とし,NICU・GCUでの実務経験は5~8年であった。 データ収集方法は,計画当初の半構成的面接法から変更し,研究対象者が自身の認識や実務経験談についてより想起し語ることができるフォーカスグループインタビューの手法が妥当であると検討し,実施をした。インタビューの最後に,Drotarモデルのように先天奇形を持つ子どもの出産および子どもに対する反応の描画を求めた。探索的内容分析法により分析し,Drotarモデルとの共通性と相違性,また,これまで取り組んできた看護師の体験事例との共通性と相違性も合わせて分析し,先天奇形の特性を包括した親の反応について検討した。 その結果,1)インフォームドコンセントが出産前に行われた場合と出産後に行われることによって,出産や子どもに対する反応は異なると図式化された。2)Drotarモデルは再現されなかった。3)複雑な親の反応を理解するためには,インフォームドコンセントが出産前か後に実施されるかによるところが大きいため,出産前からの複雑な反応を可視化したモデルの方が適していると考えられた。4)さらに子どもの各障害によって親に与える衝撃の相違が考慮されるような視点が加わった,新たなモデル開発の可能性が必要と考えられた。今後は,申請者がこれまで取り組んできた親自身の体験・反応と看護師の認識の相違点の内容分析を検討予定である。
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