2012 Fiscal Year Research-status Report
父親の育児参加を高める支援プログラム開発とその評価
Project/Area Number |
23792678
|
Research Institution | Takarazuka University |
Principal Investigator |
上山 直美 宝塚大学, 看護学部, 助教 (00449886)
|
Keywords | 父親 / 育児 / 育児参加 / 育児支援 / 育児支援プログラム |
Research Abstract |
研究目的である「父親の育児参加を高める支援プログラム開発とその評価」に対して、平成22年度から着手していた未就学児の父親を対象とする育児の世話技術組み入れた支援プログラムを用いて実践(支援プログラムの開催)を行った。 支援プログラムは月1回で連続6回と6回終了から半年後に1回実施するフォローアップの計7回をクールとして、平成23年度には平成22年度の支援プログラム参加者のフォローアップと、平成23年度の支援プログラムの開催を行った。また、支援プログラム参加者と同時に対象群を募集した。 支援プログラムの有効性を評価するために選定した項目を用いて、支援プログラム開始前、支援プログラム6回目終了直後、フォローアップ後の3回、評価項目を用いて支援プログラム参加者群と対象群に対して調査を行った。平成22年度、23年度の支援プログラム参加者はそれぞれ11人、15人、対象群は11人、17人であった。併せて母親の見解からも支援プログラムの有効性の検証を行うことを目的に、両群の妻に上記の3時点で調査を行った。 平成24年度は、平成23年度の支援プログラム参加者のフォローアップを行い、併せて評価項目を用いて調査を行った。支援プログラム参加者の妻にも平成23年度と同様に実施した。その後、調査によって得られたデータの分析を行った。支援プログラムに参加した父親と対象群とのデータ比較から、支援プログラムの参加回数を3回以上と2回以下のグループに分けて分析した結果、3回以上参加しているグループは2回以下のグループ、対象群と比較して、夫婦間の育児分担が高いこと、育児の自立が高いこと、育児ストレスが低いことがわかった。詳細な考察は現在、作成中であるが、現段階において、以上3つの結果を示すことができ、支援プログラムの有効性を示すことが出来ていると考える。今後は母親のデータの分析も実施したいと考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
未就学の父親への育児支援プログラムの有効性の検証として以下の4項目から検証することを目的に掲げた。 1つ目は、支援プログラムを用いた介入支援による父親自身の有効性の検証であるが、育児に関する行動を評価する「夫婦間の育児分担」と「育児の自立」、育児に関する意識を評価する「育児ストレス」、「平等主義的役割態度」、「父親になることによる発達尺度」、「対児感情尺度」で評価を行った。これに対しては、予定通りに実施、分析を行えている。 2つ目は、支援プログラムを用いた介入支援による父親の妻(母親)への有効性の検証であり、支援プログラム参加者の妻に対して、育児に関する意識を評価する「育児ストレス」、「平等主義的役割態度」、「夫、子どもへの愛着」で評価を行った。これに対しては、予定通りに調査を実施したが、分析結果はまだでていない。分析の統計手法に問題があるためと考えるため、修正して達成できるようにしたい。 3つ目は、、支援プログラムを用いた介入支援による子どもへの有効性の検証であり、「KIDS乳幼児発達検査」を用いて子どもの成長発達から検証を行った。これに対しては、予定通りに調査を実施したが、分析結果はまだでていない。分析の統計手法に問題があるためと考えるため、修正して達成できるようにしたい。 4つ目の育児参加の継続性の検証は、支援プログラム参加者に対して、フォローアップを行い、その時点での育児に関する行動の評価、意識の評価から継続性を検証することを目的とした。これに対しては、予定通りに実施、分析を行えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
「父親の育児参加を高める支援プログラム」が有効なものとして普及することを目標に掲げているため、研究計画に沿って研究目的を遂行するとともに、かつ、プログラムの有効性を示せるように分析を重ねたいと考える。 また、分析結果が得られた時点で論文として記載して、学会等で発表し、父親の育児参加や育児支援について、社会への理解が得られるように活動を行いたいと考える。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は以下の内容で研究費を使用させていただきたいと考えている。調査結果の分析を行うためにの統計ソフト:約22万円、統計を行うパソコン:約10万円、結果の検証に用いる資料:10万円、論文作成用プリンター兼資料収集用スキャナー:約3万円、英語論文作成に関する投稿費用:約20万円、成果発表の旅費、投稿費用として約25万円として計画している。
|