2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンピテンシーに着目した実践的訪問看護能力の育成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23792686
|
Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
丸山 幸恵 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (50550696)
|
Keywords | 訪問看護ケア / 人材育成 / 現任教育 / 訪問看護実践能力 |
Research Abstract |
キャリアラダーと就業環境および実践している訪問看護ケアとの関連を明らかにするため、郵送調査を実施した。対象者はA県内にある訪問看護ステーションに従事している訪問看護師807人である。調査項目は、年齢や臨床経験年数等の基本属性、教育プログラムや看護技術・能力評価の状況等の職員教育環境、実践している訪問看護ケア、専門職的自律性である。 平均年齢は47.4±8.8歳で、医療機関経験年数は18.3±9.6、訪問看護経験年数は7.1±5.0であった。キャリアラダーは、新人12.9%、一人前42.8%、中堅33.4%、達人11.0%であった。 実践している訪問看護ケアでは、59項目中36項目で8割以上が実践していると回答していた。実践していないと回答していた上位3項目は、「看護に囚われず利用者の生活状況に合わせて生活支援するため家事援助をする」(64.2%)、「あえて利用者や家族に看護師の知識力や行動が見えるように振る舞う」(59.2%)、「いつまでなら在宅介護できるのか、介護に期限をつけて考えることで家族自身が望む意思決定を促す」(49.1%)であった。 キャリアラダーと有意な関連がみられた項目は、基本属性では「年齢」医療機関経験年数」「訪問看護経験年数」で達人が最も年数を有しており、常勤者の割合、訪問看護師養成講習会受講の割合が高かった(p<0.001)。職員教育環境では「教育プログラムがある」と回答した者は達人の割合が高く(p<0.01)、「勉強会を開催していない」と回答した者は新人の割合が高かった(p<0.001)。専門職的自律性の「実践能力」「具体的判断能力」「抽象的判断能力」「自立的判断能力」ともに達人が最も点数が高かった(p<0.001)。実践している訪問看護ケアの42項目に有意な関連があり、すべての項目において達人のほうが実施割合が高かった(p<0.01)。
|