2012 Fiscal Year Annual Research Report
精神科入院患者の強みを取り入れた退院準備状況アセスメント表の開発と使用効果
Project/Area Number |
23792687
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
小宮 浩美 武蔵野大学, 看護学部, 講師 (10315856)
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Keywords | 退院支援 / アセスメント / 尺度開発 / 地域生活移行支援 |
Research Abstract |
【目的】患者の強みを取り入れた退院準備アセスメント尺度を開発と使用効果について検討することが目的である。 【方法】先行研究の結果である退院準備状況アセスメント試案(28項目)の修正のためのエキスパートパネル(2名の尺度開発の専門家、3名の精神科看護師)およびパイロットスタディ(6名の精神科看護師)を行った。本調査は調査1と調査2からなる。調査1は、修正した尺度案(ver.2)の妥当性の検討のために5つの精神科病院の看護師に実施した。調査内容は、ver.2の尺度案、精神科リハビリテーション尺度(Rehab)、患者属性、看護師属性である。調査2は、信頼性(同等性)の検討のために2つの精神科病院の看護師を対象に評定者間の一致度を調査した。各看護師への調査用紙の配布と回収は、病棟看護管理者(もしくは代理の看護師)が行った。記入後の調査用紙は個別の封筒に入れ、病棟内で回収された。なお調査開始前に研究者の所属施設の倫理審査委員会の承認を得た。 【結果】項目の表現の見直しと細分化を行い、30項目のver.2の尺度案を作成した。調査1の有効回答389(有効回答率92.4%)の探索的因子分析によって6因子構造が抽出された。尺度の合計得点および下位尺度の得点と、Rehabの全般的行動と逸脱行動の得点には有意な負の相関関係(-0.384~0.776、p<0.05)がみられた。尺度全体および各下位尺度の相関係数(クロンバックα)はいずれも0.8以上であった。調査2の有効回答106(有効回答率93.0%)の評定者間の一致度には有意な相関関係はなかった(p<0.05)。 【考察】本尺度は構成概念妥当性、基準関連妥当性および内的一貫性については支持された。一方で、同等性は低く評定者によって異なる評定を行う可能性があるため、複数の看護師が用いることが適切であると考えらえた。
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