2013 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者の身体疾患悪化予防を目指す訪問看護導入アセスメント指標開発の基礎研究
Project/Area Number |
23792689
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
島村 敦子 千葉大学, 看護学研究科, 助教 (20583868)
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Keywords | 訪問看護 / 認知症高齢者 / 身体疾患の悪化予防 |
Research Abstract |
本研究の目的は、認知症高齢者と家族が効果的に訪問看護サービスを利用することで、認知症高齢者の身体疾患の悪化予防を目指す訪問看護導入アセスメント指標作成に向けた基礎資料を得ることである。最終年度となる平成25年度の目的は、訪問看護サービスを利用している認知症高齢者の事例について、身体疾患の悪化予防に焦点を当てたデータを収集すること、本研究のまとめとして、訪問看護導入アセスメント指標(案)を効果的に活用するための方法を検討することであった。 2名の看護職(1名はケアマネジャー・訪問看護経験者、1名は主任ケアマネジャー)から協力が得られ、面接調査を実施した。認知症高齢者の身体疾患の悪化予防を目指した訪問看護導入を検討するときの視点として、認知症高齢者が有する疾患(糖尿病の有無、とくに低血糖の起こり易さなど)、内服管理の状況(インスリン使用状況、薬の種類の多さ、医師と調整の必要性など)、水分・栄養バランスの管理状況(脱水の起こし易さなど)、家族の状況(独居、主介護者の健康状態など)は、とくに重要であることがわかった。さらに、BPSDを有する場合は精神科訪問看護の利用、独居で内服管理が必要となる場合は、訪問看護と同時に訪問薬局の利用が有効であることが示唆された。 研究期間全体を通した調査および今年度の学会発表を通して、訪問看護導入アセスメント指標(案)は、単なるチェックリストではなく、実際に自宅に訪問したときの観察を通して、認知症高齢者の生活背景・生活環境、認知症高齢者の身体状況、家族の状況を総合的にアセスメントでき、訪問看護以外のサービス利用も検討できる指標とする必要があることが明らかとなった。さらに、認知症高齢者の身体疾患の悪化予防を目指すためには、相談があってから訪問看護を検討するのではなく、看護職が自ら訪問し(アウトリーチ活動)アセスメントしていく必要があると考えられた。
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