2011 Fiscal Year Research-status Report
児童虐待発生予防を目指した保健師の個別支援ツールの開発:ネグレクトに焦点をあてて
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23792690
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有本 梓 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90451765)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 公衆衛生看護 / 保健師 / 児童虐待 / ネグレクト / ツール開発 / 個別支援 / ケースマネジメント |
Research Abstract |
本研究は、保健師の効果的な児童虐待の発生予防活動とその評価を可能とするため、ネグレクトの予防と発見に焦点をあてた保健師の個別支援のガイドラインやアセスメントシート、記録用紙等のツールを開発することを目的とする。特に、保健師が接点を持つ機会が多い、3歳未満の乳幼児でネグレクトのリスクの高い家族への個別支援に焦点をあてることとした。 平成23年度は、児童虐待の発生予防を目指した個別支援ツール案の開発を目指し、(1)従来の個別支援の実態に関する調査、(2)国内外の文献レビューと資料分析を行った。(1)では、自治体で児童虐待予防を目指した個別支援に携わっている保健師5名を対象に、フォーカスグループインタビューを行い、ネグレクトのリスクを持つ家庭を発見するための視点と個別支援の方法、研修ニーズを明らかにした。(2)では、児童虐待予防に関する保健師に対する研修の方法と内容に関する国内文献のレビューから、事例検討会と研修の方法を検討した。さらに、ネグレクトに関する海外文献をレビューし、アセスメント項目と個別支援方法を抽出した。 本研究により、(1)児童虐待の発生を予防するための個別支援ツールの明確化、(2)保健師によるネグレクトのリスクの高い事例への個別支援の方略を体系化が期待される。それにより、保健師が個別支援を行いやすくなり、児童虐待の発生を予防することが可能になると考える。 ネグレクトは個別支援が特に重要な虐待の種類であり、保健師はネグレクトのリスクの高い家族を早期から支援できる立場にある。ネグレクトは、状況を明らかにしにくく、長期間で進行し、個別性が高い。また、子どもの発育発達の遅れや体調悪化を起こし、生命の危機を及ぼす。これらの問題を解決するためには、児童虐待の発生予防を目指した保健師による個別支援ツールを開発する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画で挙げていた計画はおおむね予定通り進められたが、個別支援の提供内容と乳児とその家族の個別支援に対するニーズに関する調査のみ着手できていない。また、保健師に対する調査時期が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の成果を基に、個別支援ツールの開発と洗練を行い、ネグレクトの予防と発見に焦点をあてた個別支援ツールの試行と評価に着手する。 計画を推進するために、依頼する調査自治体を増やすほか、専門家に協力および助言を依頼し、データ収集及び入力を行う研究補助者を雇用する。また必要があれば、データ入力を委託する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査旅費10万円、調査費(郵送費・ツール試行に伴う書類や調査票の印刷費)20万円文献・書籍費5万円、物品費15万円、会議費10万円成果発表費(投稿料・英文校閲・学会発表費用等)20万円、成果発表旅費10万円研究補助者雇用費20万円
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