2012 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護必要性の判定ツールの開発および実用に向けた効果的なタッチポイントの探索
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23792691
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田口 敦子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70359636)
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Keywords | 訪問看護 / 訪問看護ニーズ / 在宅医療 / サービス利用 / 住民 |
Research Abstract |
平成24年度は、平成23年度に介護支援専門員を対象に行った調査結果の分析を進めると共に、訪問看護の必要性を判定するアセスメントシート(以下、アセスメントシートとする)の活用可能性について、訪問看護師、介護支援専門員、病院の退院支援部署の看護師等から意見を聴取した。成果としては、一定の活用可能性を見出すことができた。一方で、課題も明らかとなり、重要な訪問看護のタッチポイントの一つである病院での活用可能性においては、アセスメントシートの簡略化や、退院支援システムの中に組み込むための具体的な提案が必要であることが明らかになった。 さらに、地域住民とのタッチポイントを探索するために、地域住民を対象に調査を行った。これまでの結果から、平成23年度からの住民等へのヒアリングにより、タッチポイントには、都市部か農村部等の地域特性が影響することが明らかになってきたため、中核都市であるA市と、農村部であるB市の2ヶ所で質問紙調査を実施した。20歳から70歳の住民を無作為に抽出し、1800人ずつに調査票を送付した。質問項目は、訪問看護サービス等のサービスの認知や、サービス利用による自宅で療養することへの認識等であった。有効回答数は、A市620人(34.8%)、B市493人(29.0%)であった。訪問看護サービスを具体的に知っている人は、A市222人(33.2%)、B市205人(38.2%)であり、ほぼ同等であった。しかし、訪問看護サービスを知っていることが、自宅で療養することへの認識と関連していたのはA市のみであり、B市では関連が見られなかった。現在、その理由や、タッチポイントの活用について分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度に、タッチポイントに重要な役割を果たすと考えられる健康推進員を対象とした調査を計画していたが、個人情報保護の観点においてフィールドとの調整に時間を要し、平成24年3月末までに終えることができなかったためである。 しかし、それ以外の計画は概ね順調であると考える。その理由として、本研究の目的である訪問看護の必要性を判定するアセスメントシートは、感度・特異度を検証し、ある程度の活用可能性が確認できている。また、アセスメントシートの活用のためのタッチポイントの探索は、訪問看護師、介護支援専門員、病院の退院支援部署の看護師等から意見を聴取し、住民においては2市で、質問紙調査を実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、病院におけるアセスメントシートの活用性を高めるための方策を、事例検討などを通して、病院の退院支援部署の看護師やソーシャルワーカー、病棟看護師と検討する。 また、タッチポイントに重要な役割を果たすと考えられる健康推進員を対象に質問紙調査を行い、具体的な訪問看護サービスの活用に向けた方策を見出す。その調査実施の確約は、健康推進員と取れており、今年度中に実施できる目処が立っている。 健康推進員の調査を行った後、各タッチポイントにおける訪問看護が必要な人をサービスに結びつける有益な方策を検討し、まとめる。本研究で得られた成果は、研修会やホームページへの掲載、投稿によって調査結果の公開を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
健康推進員を対象とした調査費(調査票印刷、発送・回収、入力)90万円、フィールドへの交通・宿泊費40万円、研究補助のための謝金10万円、英文校閲料10万円、統計ソフト5万円、資料を分類するためのファイルなどの消耗品5万円を予定している。 なお、次年度使用額は、当初計画してた健康推進員に対する調査を次年度に延期することによって生じたものであり、延期した調査に必要な経費として平成25年度に使用する予定である。
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