2011 Fiscal Year Research-status Report
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23792693
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐々木 晶世 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (90538018)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 咀嚼 / 子ども / 心理状態 / 健康 |
Research Abstract |
一般に、「よく噛むと身体にいい」といわれ、咀嚼は心身の健康と関連が深い。特に、ガム咀嚼を行うと、日常生活のストレスや不安、疲労などを軽減することがこれまでに報告されている。しかし、ガム咀嚼が子どもの心理状態に与える影響については明らかになっていない。そこで、28日間のガム咀嚼が小学生のストレスを軽減するかどうか検討することを本研究の目的とした。小学5年生の児童を2グループに割り付けた。介入は1日2回、1回5分のガム咀嚼とし、最初に介入を実施したグループをA群、後半に介入を実施したグループをB群とした。ベースライン調査として、生活習慣に関する質問紙と不安度調査に回答してもらった。ストレス尺度とし、介入開始前、A群の介入終了時、B群の介入終了時の合計3回測定した。その結果、介入開始前の生活習慣や不安度は2群間に有意な差はみられなかった。いずれの時点でも2群間のストレス度に有意な差はみられなかった。対象者全体では、介入開始前と比べてB群の介入終了時のストレス度が有意に低下していた。今回は1クラス学級内で2グループに分けての調査実施であり、調査に参加しているということが影響しているというホーソン効果があらわれたことも否定できない。以上より、ガム咀嚼は子どものストレスに影響を与える可能性がある。先行研究によると、咀嚼は生活習慣と関わりが深く、また、生活状況とストレスも関連が考えられる。今回の対象児童はストレスや不安度は標準であったが、なかには特に不安が強い、ストレスがあると考えられる児童がおり、今後はこうした児童への対応も併せて検討していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学生を対象とした調査および健康教育を実施できているものの、限られた対象者であり、可能であれば、参加者を増やしていく。また、ガム咀嚼および健康教育の効果を適切に判断するためのアウトカムをさらに検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
「咀嚼の効用」についての健康教育の内容の検討、および、ガム咀嚼の追跡調査を実施する予定である。咀嚼直後、6ヶ月後、12カ月後の咬合力、心理状態と生活習慣を質問紙および生理学的指標を用いて測定する。心理状態は小学生用ストレスインベントリー、児童用不安尺度、唾液アミラーゼを用いる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
健康教育に関する文献資料、および、測定器具や質問紙の購入に使用する予定である。
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