2011 Fiscal Year Research-status Report
排尿パターンと介護負担軽減を考慮した施設高齢者のためのおむつ選択基準の開発
Project/Area Number |
23792699
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 排尿パターン / 介護負担 / 施設高齢者 / おむつ / 選択基準 |
Research Abstract |
【目的】本研究は,高齢者の排尿パターンと介護者の腰部負担軽減を考慮した施設高齢者のためのおむつ・尿失禁パッドの選択基準を開発することである.今年度は,医療保険下の施設に入院する高齢者の使用しているおむつ・尿失禁パッドの種類と介護者の腰部負担に関する実態、およびおむつ・尿失禁パッドを使用している高齢者の排尿パターンを明らかにし、施設高齢者のためのおむつ選択基準を開発することとした。そこで、高齢者の排尿パターン解明の基礎をつくるため,おむつ・尿失禁パッドを使用している高齢者の排尿パターンを科学的に解明する前段階として,1)文献検討により排尿パターンに関して根拠に基づいた把握方法を検討すること,2)専門家の意見を取り入れて予備調査を重ね,残尿測定方法の調整を行うこととした.【結果】1)常時おむつに排尿している患者では、正確な残尿測定が困難であり、治療の対象となる排尿障害があるのか判断できない。そのため、失禁状態がどのようなパターンで生じているのかをアセスメントするには、時間、排尿量(おむつ内失禁量)に加えて、膀胱内尿量(残尿)など多角的にとらえ、個別の排尿パターンを発見することが必要である。そこで測定用具として、長時間尿動態データレコーダ ゆりりん(タケシバ電機)を用いることとした。2)現在おむつを使用しており、膀胱留置カテーテルの長期使用、脳梗塞の後遺症などによる頻尿がみられる高齢患者を対象に、排尿量と膀胱内尿量を一人当たり3日間モニタリングすることとした。排尿量は交換後の尿失禁パッド重量、自尿などから算出する。膀胱内尿量は定時の排泄介助時に計測し、200~500mlをめどに適宜導尿を行った。3日間の排尿パターンからケアを立案し、主治医、泌尿器科医などと連携を図ることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、おむつ・尿失禁パッドを使用している高齢者の排尿パターンを明らかにし、施設高齢者のためのおむつ選択基準を開発することが目的である。しかし常時おむつに排尿している患者では、正確な残尿測定が困難であり、治療の対象となる排尿障害があるのか判断できない。そのため、失禁状態がどの ようなパターンで生じているのかをアセスメントするには、時間、排尿量(おむつ内失禁量)に加えて、膀胱内尿量(残尿)など多角的にとらえ、個別 の排尿パターンを発見することが必要である。 当初は、残尿量超音波膀胱画像診断装置 Bladder ScanTM BMI 6100(Sysmex)を予定していたが、測定用具を変更することにより、本研究のより客観的かつ効率的な推進が見込めると考えた。これらの変更に伴い、文献レビュー、およびデモ機を用いたプレテスト期間を必要としたため。
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Strategy for Future Research Activity |
検討した結果、あらたな測定用具を複数台使用と結論が出たため、長時間尿動態データレコーダ ゆりりん(タケシバ電機)を5台購入した。現在、排尿パターンと腰部負担に考慮した施設高齢者のおむつ交換の選択基準をつくるため、倫理審査委員会の承認を得てデータ収集・解析を進めている。 平成24年度は、排尿パターンと腰部負担を考慮した施設高齢者のためのおむつ選択基準の有用性を検証するため、介護保険下の施設高齢者が使用しているおむつ・尿失禁パッドの種類と選択基準と腰部負担に関する調査、および、おむつ・尿失禁パッドを使用している施設高齢者の排尿パターンを評価する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は、残尿量超音波膀胱画像診断装置 Bladder ScanTM BMI 6100(Sysmex)を予定していたが、測定用具を変更することにより、本研究のより客観的かつ効率的な推進が見込めると考えた。これらの変更に伴い、文献レビュー、およびデモ機を用いたプレテスト期間を必要としたため当該研究費(残高)1,063,160円が生じた。今後下記の支出計画を予定し、順次データ収集・解析を進めていく。・物品費(長時間尿動態データレコーダ、コンチネンスケアに関する専門洋書、データ管理に伴う記録用紙・メディア、調査依頼時のファイル・文具・封筒などの消耗品など)563,160円・旅費(専門家と定期的な研究打合せなど)500,000円・人件費・謝金(資料収集・調査に伴う謝金など)1,000,000円・その他(資料郵便代、ウェブ作成委託など)500,000円
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