2013 Fiscal Year Research-status Report
北陸地方の要支援高齢者における冬季の照度が睡眠、活動、心身の健康に及ぼす影響
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23792700
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市森 明恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (80507369)
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Keywords | 要支援高齢者 / 照度 / 冬季 / 睡眠 |
Research Abstract |
平成24年度にOnlineで公開されていた照度の測定方法の妥当性と要支援高齢者の照度と精神的な健康との関連に関する論文が雑誌に掲載された。また、対象者数を増やした照度と対象者の基本属性や心身の健康との関係を解析した結果を国際学会にて発表した。 課題となっていた睡眠の客観的な測定については、脳波の測定は本研究で対象とする在宅の虚弱な高齢者(要支援1・2の認定を受けた高齢者)では本人の負担が大きく、やはり実施が難しい状況であった。そこで照度と睡眠の関係を研究している研究者と相談し、脳波の代わりに体動を計測して睡眠中の身体的状態を定量化する方法を採用することとした。 これまで日中の活動量を測定する方法として用いていた活動量計の夜間の値と、手首に装着したアクティグラフの計測値を用いて、就床中の体動を新たに定量化し、3種類の体動値を算出した。 さらに、照度については活動時間帯と就床時間帯のそれぞれを定量化した値のみでなく、両方の平均照度の比を新たに算出することで、活動時間帯と就床時間帯の両方の照度を加味した変数とした。 以上の睡眠中の状態を体動を用いて客観的に測定したデータと新たな照度のデータを分析変数に加えて、対象者における照度と睡眠・心身の健康との関係を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題となっていた睡眠を客観的に測定する実現可能な方法について、照度と睡眠の研究を行っている研究者から助言をもらい、これまでに測定していたデータの中の就床時の体動を定量化するという方法を確立した。この方法を用いて新たに3種類の就床時の体動値を算出し、睡眠中の状態の客観的データとすることが出来た。また照度も活動/就床時両方の照度を加味した変数として新たに活動/就床時間帯の平均照度比を算出し、照度と客観的な睡眠中の状態および心身の健康についての関係を分析した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に分析したデータをもとに論文にまとめて国際誌へ投稿し、結果を公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
睡眠を客観的に測定する方法として体動を用いて解析するという方法に至るまでに時間がかかり論文作成が当初の計画よりも遅れたため、英文校正に必要な費用や学術誌へ投稿するために必要な費用が次年度へ繰り越しとなり、次年度使用額が生じた。 分析を終えたデータをもとに論文を作成中であり、5月中には英文校正および投稿を終える予定である。また、その成果を学会等でも発表していく予定である。
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