2011 Fiscal Year Research-status Report
通所サービスにおけるケアスタッフ向けの若年性認知症ケアサポートデータベースの開発
Project/Area Number |
23792705
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山川 みやえ 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80403012)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 若年性認知症 / 家族のケア / 通所サービス / スタッフケア |
Research Abstract |
本研究は、若年性認知症患者のケアを実際にしてきた家族のケアへの工夫を可視化することが重要である。申請者は約1年前に設立された「ラフラフ」の設立当初からの運営に関わっており、スタッフや家族とも良好な関係を築いている。また、「ラフラフ」では、毎回家族と精神保健福祉士によるグループ討議を実施しているため、グループでのインタビューに慣れている状況がある。そのため、本研究のリソースとなる情報の収集は円滑に実施できる可能性が見込まれる。本年度は、ケアデータベースの情報リソースを整理することを目的とした。そのために、以下の情報を質的に整理した。(1)若年性認知症患者の日常生活におけるケアに関する具体的な方略についての学術的リソースは乏しいため、インターネット上で公開されている若年性認知症患者の介護者のブログや書籍などからケアの工夫を収集し、まとめた。(2)研究代表者が参加している若年性認知症本人交流会(浅香山病院「ラフラフ」)に参加している家族のこれまでの記録を質的に分析し、整理した。またそれを基に実際に家族にフォーカスグループインタビューをするためのインタビューガイドを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究がの進行が遅れている理由は主に3つある。一つは、本研究を遂行するためには、研究倫理委員会の承認が不可欠であるが、その申請における書類手続き等に時間がかかったことである。もう一つは、質的データの収集には時間かかるため、学生によるアルバイトでその補助を予定していた。しかしながら、当初予定していた学生の事情により、長期間アルバイトに従事できず、他の学生をリクルートすることに時間がかかったことである。三つ目の理由は、上記のことから研究を遂行する時期が少しずつ遅れたことにより、研究代表者が、研究活動として自由に活動できる時期を逸してしまったことである。研究代表者は大学のカリキュラムによる臨地実習の指導もしており、研究開始時期がずれたことにより、臨地実習の時期に入ってしまい、実習が終了するまで本格的に始動できなかったと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、当初は23年度内に終了予定であったラフラフに参加している家族へのフォーカスグループインタビューを遂行し、ケアのデータベースの素案を作成する。そのためには、質的データを収集、分析する人手が必要であるが、既にリクルートしている。データベースの素案が出来上がったら、24年度の予定どおり、デイサービス施設(ナーシングホーム気の里、グルメ杵屋社会貢献の家、かーさびあんか)でパイロット調査をし、施設スタッフへの個別インタビューや面接によるアンケートを実施して、個別的に評価をした上でケアデータベースを修正、改善する。収集し、分析した結果は随時研究成果発表として公表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、質的データの収集、及び分析には人手が必要であるため、そのためのアルバイト謝金に研究費の大半を使用する予定である。また、データベースの開発には、専門のエンジニアに依頼するため、そのための費用も必要である。その他として、データ収集するための旅費に充てる予定である。
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