2013 Fiscal Year Research-status Report
通所サービスにおけるケアスタッフ向けの若年性認知症ケアサポートデータベースの開発
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23792705
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山川 みやえ 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80403012)
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Keywords | 若年認知症 / 家族介護者 / 困難と工夫 |
Research Abstract |
本研究は、若年性認知症ケアを担う在宅サービスのスタッフに役立つ実践的なケアデータベースを開発すること、及び開発したケアデータベースの検証を実施することを目的とした。 大阪府下にあるA病院の若年性認知症患者本人交流会に参加している患者の家族9名(男性5名、女性4名)に対して半構成的面接によりフォーカスグループインタビューを行った。インタビュー内容は日常生活動作や患者との関わりにおいて困難であると感じていること、ケアの工夫について予め作成したインタビューガイドを元に実施した。インタビューは録音し、逐語録化したデータはロックをかけて保管した。 インタビューは9回実施し、合計9名の家族介護者が参加した。介護者が困難であると感じていることは11場面、介護者が工夫していることは10場面あった。もっとも困難な介助は、排泄行動の介助であった。患者家族間では共通の問題も述べられたが、ほかにも同様の問題を抱えている患者家族はすくなからずいると考えられる。本研究で家族は毎日の関わりのなかで試行錯誤しながら患者の症状の進行に合わせたケアの工夫をおこなっており、それにより困難に対処できていることが述べられた。 また、若年性認知症患者が円滑に外出できるようにするために介護者は、外出時のADLの支援、外出の促進、IADLの維持、休息について工夫していることがわかった。 介護者の性差については、排泄では同じような内容が男女共に挙がっておりほとんど性差はなく、工夫していることについても発言があった。感情面について女性介護者は夫婦関係が崩れる、頼る人がいなくなることを辛いと感じていることや男性を介護する大変さが述べられていた。現在これらの結果をデータベース化する作業を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始2年目に、他の大規模研究班に入らなければならず、申請者のエフォートが極端に下がってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年遅れてしまったが、収集したデータは非常にリッチなデータであるため、計画通り、引き続きデータベース化し、今年度中にデータベースの検証も実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ分析、及びデータベース作成がおくれたため、それにかかる費用が必要であるため。 データベースを作成し、検証する。
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