2012 Fiscal Year Research-status Report
広汎性発達障害リスク児の継続支援のためのアセスメント&フォローアップツールの開発
Project/Area Number |
23792707
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 美由紀 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (40437447)
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Keywords | 地域看護学 / 広汎性発達障害 / 継続支援 / アセスメント |
Research Abstract |
本研究は全体として3段階で構成され、当該年度は第2段階の研究と位置づけ、広汎性発達障害リスク児の継続支援のためのアセスメント&フォローアップ・シートの試作に取り組んだ。 当該年度の研究を進めるにあたり、研究者の所属機関の倫理委員会より承認を得た。研究者は前年度に実施した全国調査の分析結果や研究者の先行研究(H19~20年度科学研究費補助金若手B「行政保健師による就学前の自閉性発達障害時の子育て支援モデルの開発」)から得た知見等をもとに、アセスメント&フォローアップ・シートを試作した。なお、試作シートは支援ケースの基本情報や対象児の発達状況、対象児の日常生活、家族の状況等に関する内容およびアセスメントシートで構成されており、保健師の継続支援の経過が記録・整理できる様式となっている。 研究者は研究協力者(広汎性発達障害リスク児やその家族の継続支援に取り組んでいる全国市町村保健師)28名に試作シートと試作シートに対するコメントを記載する調査票を送付した。研究協力者には、調査票に試作シートに対する意見を記述し、返送するように依頼した。 結果、27名から調査票が返送された(回収率96.4%)。調査票のコメント(自由記述)の質的データはText Analytics for Surveysを用い、テキストマイニング手法で分析した。出現頻度に基づくカテゴリ化を行い分析した結果、試作シートは長期的支援を要する複雑困難ケースの支援において特に有用であることが示唆された。一方、更新した情報をタイムリーに反映させるための更なる工夫の必要性も明らかとなった。今年度の研究の成果を踏まえ、研究者は試作シートの改良を行い、次年度の研究の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響により、研究協力者数が当初の予定数を下回ったこと以外は計画どりに進行していると考えるため。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は本研究全体の第3段階に位置づけ、アセスメント&フォローアップシートの完成を目指す。そのために、研究協力者には改良したシートを実際の支援ケースで運用してもらい、シートの実用性についても評価を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該助成金が生じたのは、研究協力者との打ち合わせをインターネット上での会議にしたこと等により、打ち合わせ会場へ出向くために必要と見込んでいた旅費額が当初の想定額を下回ったためである。 人件費により研究補助者を雇用し調査データの入力等を進める。第3段階の研究協力者への謝金も予定している。国内旅費は学会での研究成果の発表等に使用する予定である。設備備品費は書籍等の購入に充てる予定である。研究の遂行に必要な文具等の消耗品の購入は消耗品費から支出する予定である。
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