2011 Fiscal Year Research-status Report
施設で生活している高齢者の死生の在り様に関する研究
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23792709
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西村 美穂 香川大学, 医学部, 助教 (20511546)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 高齢者 / 死生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、施設で生活している高齢者の死生の有り様を明らかにすることである。そのために、平成23年度は、高齢者施設における死生や看取りに関する研究について文献検討し、高齢者の死生や、看取りの動向を明らかにすることを目的とした。高齢者施設、死生、看取り等をキーワードに文献検討を行った。文献検討を行う中で、死生の有り様を死や生への態度という視点からみることができることを見いだせた。このことは、研究の目的をよりはっきりさせ、明確な結果を導くために重要であり、研究計画書の見直しをスーパーバイズを受けながら行った。また、文献検討を行う際、高齢者の死生や看取りをさらに幅広く捉えるため、高齢者施設に限定せずに行う必要があることが分かり、平成24年も継続して文献検討を行う。 研究の実施に関しては、平成24年度から対象者に研究の同意を得、インタビューを開始する予定である。そのため、平成23年度はその準備として、まず所属する大学の倫理委員会に審査申請し、承認を得た。そして、研究対象である施設の理事長、施設長に研究協力の依頼を行い、承諾を得た。研究を進めるにあたり、適宜スーパーバイザー、理事長、施設長のアドバイスをいただいた。今後も、アドバイスをしていただけるよう依頼し、快く引き受けてくださっている。現在、施設長に対象者の選定条件を提示し、対象者の選定を依頼しているところまで、準備が進んでいる。また、研究の対象者以外でプレテストを行い、インタビュー内容の妥当性、信頼性を検討している。 研究の意義、重要性については、今回、死生の有り様を死や生への態度という視点でみれることを見いだせたことは、より明確な結果を導くことができ、重要度が高い。結果が明確になることで、高齢者が最期の時まで成長し、自分らしく生きることへのかかわりがはっきり提言できるようになったことは意義深い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、高齢者施設における死生や看取りに関する研究について文献検討し、高齢者の死生についてや、看取りの動向を明らかにすることを目的とした。文献検討を行う中で、死生の有り様を死や生への態度という視点からみることを見いだせたのは、今後研究を行う上で焦点がよりはっきりし、成果であると考える。また、平成24年度から、対象者に研究の同意を得、インタビューを開始する予定であるが、その準備がほぼ整えられたことは成果であると考える。以上の理由から、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、高齢者の死生や看取りについて、高齢者施設に限定せずに、幅広く文献検討を継続する。また、文献検討をする中で、主要な概念が見つかれば、その概念についてまとめる。成果は、学会で発表する。 研究の実施に関しては、対象者の選定が終了すれば、対象者と家族に研究の概要説明をし、書面と口頭で同意を得る。そして、リッチなデータを得るため、インタビューを行う前に、施設に訪問し、対象者と交流を深める。具体的には、高齢者の心身の状態に留意し、高齢者が慣れ親しんでいる生活の場で3日間交流を深める。4日目に1時間程度のインタビューを行う。インタビュー後は、逐語録を作成し、データ分析を行い、成果をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費に関しては、研究に必要な文房具類、USB、本などを購入する。 旅費に関しては、研究を進めるにあたり必要なデータの収集、研究者間の交流のため各学会に参加する。また、対象者とインタビュー前に交流を深めたり、インタビューを行うために各施設を訪問する。また、適宜理事長や施設長との研究打ち合わせや、アドバイスを受けるために各施設を訪問する。 謝金等に関しては、文献検討を継続するため、文献整理、データ整理を依頼する。また、インタビュー後の逐語録の作成、データ整理も依頼する。 その他に関しては、研究成果発表費用として使用する。
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