2012 Fiscal Year Annual Research Report
施設で生活している高齢者の死生の在り様に関する研究
Project/Area Number |
23792709
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西村 美穂 香川大学, 医学部, 助教 (20511546)
|
Keywords | 高齢者 / 死生 |
Research Abstract |
本研究の目的は、施設で生活している高齢者の死生の在り様を明らかにすることである。そのために、平成24年度は、前年度に引き続き、死生の有り様の定義について熟考を重ね、最終的に、スピリチュアリティをもつ存在として死や生にどのように向かっているのかとした。また、前年度からの高齢者の死生に関する文献検討を続け、高齢者に対するスピリチュアルケアについてまとめ、成果を学会発表した。さらに、研究の方法論を洗練させるため、各学会主催の学術集会(2回)・研修会(1回)、大阪大学主催のセミナー(3回)に参加し、方法論の知識を得、研究者間での意見交換を行った。 研究の概要については次のとおりである。研究参加者は同意が得られた施設で生活している高齢者8名で、女性7名、男性1名、平均年齢87歳、平均要介護度3.5であった。データ収集は、半構成的面接で行った。面接内容は、生活の中で感じている死や生について自由に語ってもらった。承諾が得られたため、全員ICレコーダーに録音した。分析は、逐語録を作成し,死や生について語られている箇所を文脈を損なわないように抽出し、内容を要約したコードとした。そして、コードの類似したものでまとめサブカテゴリーとし、サブカテゴリーの類似したものでまとめ、カテゴリーとした。倫理的配慮は、研究参加者の施設での生活のリズムを壊さないように研究参加者1名につき異なる日で2回、生活の場に寄り添い、研究参加者の生活のリズムを把握した。そして、3回目に自然な流れで面接を行うようにした。施設で生活している高齢者の死生の在り様は、【思いどうりにいかない人生の苦にさいなまれる】ことで、【今までの生き方を省みる】ということをしていた。また、【拠りどころとのかかわりに支えられ、癒される】なかで、【存在価値、生きる意味・目的を見出す】ことに向かっていることが明らかになった。今後、成果発表の予定である。
|
Research Products
(1 results)