2013 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護師の倫理的ジレンマ実態調査およびバーンアウトとの関連
Project/Area Number |
23792711
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
川崎 涼子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (30437826)
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Keywords | 地域看護学 / 倫理的ジレンマ / 主観的健康観 |
Research Abstract |
訪問看護師の倫理的ジレンマは対象者との関係性の中で生じるものであり、保健医療福祉サービス提供者のジレンマを明らかにするだけでは心理的負荷との関連は解明できず、保健医療サービスを受ける地域住民の健康観を調査する必要があると考えた。そのため、本研究では在宅高齢者を対象として、保健医療福祉サービスの受け手の健康観とサービス提供者への需要を明らかにすることを目的とした。 長崎市A地区在住の65歳以上在宅高齢者を対象とし構成的質問紙を用いた訪問による面談調査を行った。調査対象者145名のうち、72名から回答を得られた。 困ったときの相談相手では、74.4%が子ども・親せきを選択したのに対し、保健医療福祉サービス提供者を選択した者は6.4%であった。緊急時の相談相手では、子ども・親せきが59.0%、近隣住民が32.1%、保健医療福祉サービス提供者は3.8%であった。困った時の相談相手のchannel数、緊急時の手助け相手のchannel数では、いずれも男女とも2未満で有意差はみられなかった。困った時の相談の機会の豊富さ得点では、「いつもある」と回答した者が女性で83%、男性で60%であり、男女間で有意差がみられた。 本研究の対象者は、困った時の相談相手や緊急時の相談相手として、保健医療福祉サービス提供者よりも子供や親せき、近隣住民を選択していることが分かった。保健医療福祉サービスの提供者は対象者の生活環境において、支援者でありながらも対象者の意思決定の身近な存在であるとは言い難い。このような対象者の状況を理解し、訪問看護師などの保健医療福祉サービス提供者はケアを行っていく必要がある。
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Research Products
(2 results)