2013 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者をケアする看護師の倫理的ジレンマと倫理的価値観に基づく教育プログラム
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23792724
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Research Institution | Nagano College of Nursing |
Principal Investigator |
池上 千賀子 (曽根 千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 助教 (40336623)
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Keywords | 認知症ケア / 影響要因 / 病院に入院する認知症患者 |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に行った「病院において看護師が行う認知症ケアの具体例を収集し,それに影響を与える可能性と要因について把握することを目的としたインタビュー調査」から得られたデータをもとに,「認知症看護ケアチェックリスト」を作成した. 「認知症看護ケアチェックリスト」の項目をインタビューデータから抽出する手順として,12の認知症患者への看護ケア「1.見守り」「2.周辺症状の観察とその理解」「3.関わりを用いた対象理解」「五感の刺激」「興味・関心を探ること」「チームケア」「認知症からくる行動の修正,適切な行動への誘導」「自律性確保のかかわり」「身体の健康管理」「基本的欲求に関わる環境調整」「家族への関わり」「患者への関わり方」の枠組みにあてはまる具体的なインタビューデータを抜きだした.最終的に37の質問項目を作成した.その後,質問項目の内容妥当性の確認のために,Mary R,Lynn(1986)の基準をもとに看護学研究者5名の協力を得て,37質問項目の一つ一つが12の認知症患者への看護ケアの枠組みのどれにあてはまるか2回わたり答えてもらいネイ用妥当性確認8割の一致率を得ている.この37質問項目は,「認知症看護ケアチェックリスト」と命名し,平成26年度に行うプレテスト,パイロット調査,本調査に用いる予定である. 「認知症看護ケアチェックリスト」を作成後,平成26年度に行う質問紙調査のために,倫理審査を受け,平成26年3月13日に承認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は,本研究の最終目的である病院での認知症看護ケアの実情を把握するための「認知症看護ケアチェックリスト」を作成することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,平成25年度に作成した「認知症看護ケアチェックリスト」のプレテスト,パイロット調査を行いチェックリストの精製を進める.その後,完成したチェックリストを用いて,病床数100床以上の病院に勤務する看護師を対象とする本調査を実施する予定である.本調査の分析では,認知症看護ケアの実情を把握するとともに,「認知症看護ケアチェックリスト」の実用化を目指し,リッカートスケールのウェイトの調整も検討する予定である. なお,本調査は,認知症看護ケアの実情を伺うものであり,その結果は病院における認知症看護ケアに関する状況の一端を示すものと考えられる.病院側が自らの現状を知る良い機会に成り得ると考えられ,病院単位での結果の概要について開示請求があった場合には,病院に対し個別の結果ではなく回答の平均値という形で結果の概要を開示する.対象看護師に,自分の回答が病院側に伝わるのではないか,という不安を与えないよう,対象看護師に対する依頼書に,個別の結果ではなくあくまでも平均値の開示であり看護師個人の回答の特定にはならないこと,1病院当たりの回答数が10未満の場合には個人の特定につながる可能性があるため,病院からの開示請求があっても行わないこと,回答したくなければ回答しないことを対象看護師自身が選択でき一切不利益は生じないことを明記し,分析結果の開示を行っていくことを予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の目的を達成するための本調査実施の費用と成果発表のために研究費が必要である. プレ調査,パイロット調査,本調査を実施し,病院における認知症看護ケアび実情を把握し,「認知症看護ケアチェックリスト」の完成を目指す.これらの研究成果について成果発表を行う.
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Research Products
(1 results)