2012 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者家族による早期援助希求行動を促進する情報のあり方についての検討
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23792728
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
国井 由生子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40582614)
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Keywords | 認知症 / 早期受診 / 高齢者 / 援助希求 / ヘルスコミュニケーション / 家族 |
Research Abstract |
認知症高齢者家族が援助希求行動に至るプロセスに関係する情報のあり方についてのパターンを探索するため、認知症に関わる社会資源がある程度存在する1市内において認知症高齢者家族へのインタビュー調査を実施した。今年度は昨年度のデータの中間分析により男性家族のデータが必要であることがわかったため、男性家族事例を追加して全9例の分析を総合的に行った。 受診や相談などの援助希求行動に関わる情報やきっかけを得た背景には、普段からの親族、近所、職場等の人づきあい、認知症と直接関係しない(もしくは認知症によるものと認識されていない)医療機関の受診、市の保健事業や介護認定に伴う専門職とのかかわりなどがみられた。情報のあり方に焦点をあててみると、これらの背景の中で援助希求につながっていた情報は、認知症の症状、認知症が進行した際の重大性、認知症薬の有用性、医療機関やサービス提供先、相談先の情報等であった。しかし入手のタイミングによってそれら情報の有効性は異なっているパターンが示され、家族の認識段階に合わせた情報提供が有効であることが推察された。 本人の意欲の変化など家族だからこそ得られた気づきがあっても、家族には認知症であることを否定したい気持ちもあり、特に発症初期には認知症の知識と家族の変わった様子が同じものだと思えない場合があった。これまでの啓発活動により認知症は病気であるということや具体的な症状の認識が高まっているが、それだけでは当事者意識を持てない状況が明らかとなった。本人のADLは大きく変化しないため生活上大きな支障がなく、当事者意識がないために援助希求に至らずに生活を続けていくことも多い。 かかりつけ医による早期対応はもちろん、喫茶店など生活の中での情報交換といった地域に密着した情報の授受が早期の援助希求につながる可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度にインタビュー調査を終了する予定であったが、中間分析結果により男性対象者のデータが必要である事が判明したため、平成24年度もインタビュー調査とその分析を実施した。 当初の予定では平成24年度にはこの分析結果を踏まえた質問紙調査を実施する予定であったが、上記の計画変更とさらなる分析の必要性によって質問紙調査の実施に至ることができなかった。予定からは遅れているが、適切な結果を導くために必要であった。
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Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の実施に向けて質問項目を整理し、適切な質問紙を早急に作成する。また、年度内に結果のまとめ及び成果発表に至るよう計画を立て直して実施する。 以上について研究が滞りなく推進できるようスーパーバイズをうけながら実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題は補助事業期間延長承認申請により平成25年度まで延長している。平成25年度は平成24年度未使用金を質問紙調査の実施及びその分析・成果発表に係る費用として使用する予定である。
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