2011 Fiscal Year Research-status Report
10代で出産した母親のライフプラン構築を支援する包括的プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
23792733
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (90364033)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 若年妊娠 / 若年出産 / 家族計画 / ライフプラン / グループアプローチ |
Research Abstract |
本研究の目的は、10代の母親グループにおける実態調査を実施し、その結果を踏まえて、望まない再妊娠を予防し、母親達が長期的な視点でライフプランを構築するための、就労支援や学業継続支援、家族計画等を含めた、包括的な支援プログラムを開発することである。開発したプログラムは、10代の母親グループにおいて継続的に実施し、参加者の経年的な変化や聞き取り調査により内容を評価し、考察する。23年度は、研究者がフィールド調査を続けている10代の母親グループ参加者で、第1子が0~2歳前後の母親を対象に、8月に保育所での生活と生活リズムについて、9月にライフプラン構築、家族計画等の情報提供について、保健師、保育士、助産師、子どもが保育所に入所している若年母親等の協力を得て実施した。ライフプラン構築についてはグループワーク形式で、今後5年以内の家族の年齢と、想定されるライフイベントを書きこみ、今後のライフプランを検討した。24年1月に、9月に検討したライフプランを見直し、現状に合わせて変更点を記載した。実施後の評価として、参加者からは「先のことは考えられない」と言う意見もあったが、回を重ねることにより具体的なライフプランが構築できるようになっており、ライフプラン構築は参加者の変化や成長をみる一つの指標になると考える。家族計画については参加者の知識に個別性が高いため、継続して実施し、より多くの参加者が聞く機会を設ける必要性を感じた。保育所入所、ライフプランなど一つのテーマに絞って話をすることで、参加者の交流を深める機会にもなっていた。人数が多くなった際は、グループにおいて個別の話を深めることが難しいため、必要な場合は個別対応も並行して進めていくことも今後検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィールド調査、プログラム実施については予定通り実施することができた。23年度に、10代の母親に対して独自の支援を行っている国内、海外(イギリス)の関連機関に対し、10代の母親の現状と支援のあり方についてインタビューし、情報収集を行う予定であった。しかし、今年度は実施することができなかったため、次年度以降の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の推進方策について1) プログラム実施 (1)情報提供:ライフプラン構築、家族計画、就労につながる資格や保育所などの情報提供を、保育士や助産師、母子相談員などの協力を得て経年的に実施する。(2) ライフプラン構築:グループワーク形式で、今後5年以内の家族の年齢と、次子の出産予定や就学、住居の購入、就労など予想されるライフイベントを書きこみ、今後のライフプランを検討する。検討した内容は、グループにおいて半年ごとに見直し、実態に基づいたライフプランとなるよう支援する。2) フィールド調査の実施 平成23年度と同様、2地域の若年母親グループにおいてフィールド調査を継続して実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外・国内文献購入、消耗品等の物品費、国内・海外出張等の旅費、スタッフ謝礼等の人件費に使用する。
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